帯津良一/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱している。今も治療の現場に立ち、講演や講義も行う。『死を生きる。』(朝日新聞出版)など多数の著書がある。生島ヒロシ/1950年生まれ、宮城県気仙沼市出身。76年にTBSに入り、アナウンサーとして活躍し、89年に独立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」では、ニュースに加え健康情報も紹介している。金融や相続問題などに詳しく、東日本大震災の復興にも取り組む。(撮影/多田敏男)
帯津良一/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱している。今も治療の現場に立ち、講演や講義も行う。『死を生きる。』(朝日新聞出版)など多数の著書がある。

生島ヒロシ/1950年生まれ、宮城県気仙沼市出身。76年にTBSに入り、アナウンサーとして活躍し、89年に独立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」では、ニュースに加え健康情報も紹介している。金融や相続問題などに詳しく、東日本大震災の復興にも取り組む。(撮影/多田敏男)

 本誌で「『健脳』養生法」を5月4・11日号から連載している帯津良一さん。82歳の現役医師として、今日もがん患者らの治療に取り組んでいます。前の連載では、貝原益軒の『養生訓』をもとに健康法なども解説していました。今回は特別対談として、フリーアナウンサーで健康マニアとしても知られる生島ヒロシさんを迎え、養生法などについて幅広く語ってもらいました。

*  *  *

帯津:貝原益軒の『養生訓』は大好きな本の一つです。いいことがいっぱい出てくるし、人間をまるごととらえる「ホリスティック医学」に取り組むものとして大いに勉強になります。

生島:養生訓は守りではなく攻めの養生だと帯津さんは言っていました。

帯津:初めは守りの養生だと思って読み始めたんですが、そうじゃない。例えば、「酒は天の美禄なり」。お酒は天からのごほうびだというのです。お酒ではこんなことも言っています。主(あるじ)は客人に酒を強いてはいけないが、客人はそれをいいことに普段と同じように飲んでいるのではだめだと。普段よりたくさん飲んで主の好意に応えないといけない。こういう養生訓はあまりないので、好きなんですよ。

 ほかにも労働を非常に重んじて、家業に励むことが養生の道だとしている。「道を楽しむ者は命長し」。人にはそれぞれの道があり、それを楽しんでやるのが人生だというのです。

生島:養生訓では「接して漏らさず」なんてことも書いてますが、本当なんですか。

帯津:私はそれを厳格に実践するのは良くないと思います。貝原益軒もちゃんと後のほうで、「こういう欲情はあまり我慢するものではない」としています。場合によってはちゃんと出したほうがいいと書いている。養生訓は江戸の元禄時代の本ですが、セックスのことも説明したので、売れたとも言われています。

生島:いつの時代もいっしょですね。食欲、性欲、睡眠欲の三大欲求については関心が高い。

帯津:朝のラジオ番組は長く人気を保っていますね。何年目になりますか。

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帯津良一

帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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