高橋由伸監督 (c)朝日新聞社
高橋由伸監督 (c)朝日新聞社

 プロ野球巨人の高橋由伸監督(43)が、成績不振の責任を取って今季限りで辞任すると、10月3日に表明した。今年は3年契約の最終年で、セ・リーグの優勝はすでに広島カープに決まっていた。

 山口寿一オーナーら首脳陣は、9月中旬に続投を示唆しており、辞任は本人の強い意思だった。クライマックスシリーズ(CS)に進出する可能性も残るなかでの発表となった。

「けじめはつけないといけない」と本人が語るように、今の巨人は危機的な状況。4年連続で優勝を逃し、12年ぶりにシーズンも負け越し。同じ監督のもとでは初となる「2年連続Bクラス」の恐れもある。

 若手の岡本和真らも育ってきたものの、チームは世代交代期でまだ層が薄く、来年以降立て直せる保証はない。プライドの高い高橋監督にとって、追い詰められたままチームを率いる選択肢はなかった。

 野球解説者の江本孟紀氏は、プロ野球界の慣習の犠牲者だと指摘する。

「日本のプロ野球は、米国のようにマイナーリーグなどで監督経験を積むシステムがありません。旧態依然とした監督の選び方で、オーナーの一声で決まることもある。高橋監督もそうで、経験がないまま監督になった。ただ、巨人はある程度の戦力があるのに、ここまで悪い結果が続いた。監督が誰であったとしても、責任は取らなければいけない」

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