準優勝直後から、同校との共同開発商品「金農 パンケーキ」を秋田県内で再発売したローソンは、東北地方全域で販売。さらにデニッシュ生地に県産あきたこまちの米粉を使い、男鹿半島の塩を配合したキャラメルクリームを注入した「金農 デニッシュドーナツ」を秋田県内限定で再発売。ローソン広報室によると、パンケーキ同様の売れ行きだという。

 地元は当然のように夏の興奮が覚め切らない。

 秋田県庁は職員の名刺に紫色の“金農”カラーを取り入れた。名刺の左半分には、県の観光キャッチコピーとして長らく使われている「んだ。んだ。秋田。」のロゴに、「甲子園で活躍?」と挿入。右上には、金足農を連想させる紫色の枠内に白抜き文字で「金足農業高校 #一世紀分の感動をありがとう」のメッセージを入れた。

 職員は自由なデザインで名刺を作ることができるが、県内外からの応援に感謝の意を示そうと、県観光戦略課が名刺フォーマットを提案した。同課の担当者は「感謝の意を示しながら、話題づくりに使っていただきたい」と話す。県産品の販売促進活動のために、紫色をベースにしたミニのぼりやシールの作成も進めている。県主催のイベントや東京都内の提携飲食店で、近日中にもお目にかかれそうだ。

 金足農には全国から約2億8千万円の寄付が集まり、全国から秋田に熱い視線が注がれている。

 その金足農だが、3年生にとって最後の公式戦となる福井国体に出場し、エース吉田輝星らが「KANANO」のユニホームでプレーすることで、夏の甲子園大会の熱狂ぶりが再現されるのは間違いない。吉田の進路についても注目が集まり、さらには同校の県民栄誉章授与も控えている。平成最後の秋、息の長い“金農熱”にも注目だ。(本誌・緒方麦)

※週刊朝日オリジナル限定記事