汗をかきにくい人はカレーを食べて腸のウォーミングアップ(※写真はイメージ)
汗をかきにくい人はカレーを食べて腸のウォーミングアップ(※写真はイメージ)

 夏の野外で音楽を楽しむイベント、通称「夏フェス」。夏フェスでは、出店されているフードもこだわりのものが多く、人気のお店はすぐに完売してしまいます。大型フェスのひとつである「FUJI ROCK FESTIVAL」では、「フェスごはん」出店に毎年厳しい審査があるほど。そこで、熱中症にいいとされる食べ物、よくない食べ物はあるのか。救命救急医に聞いてみました。

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 まず、熱中症を予防するうえで最も大切なのは「汗をかくこと」です。人間のからだは、汗をかくことでしか体温調節をすることができません。汗がかけなくなると、体内温度は上昇し、熱中症になってしまう危険性があります。

 汗をかきやすくするために、服装に気をつけるのもひとつの対策として有効です。どのような服装が夏フェスに適するのか。東京都立多摩総合医療センターの救命救急センター長であり、日本救急医学会「熱中症に関する委員会」の委員長を務める清水敬樹医師はこう話します。

「直射日光を防ぐという意味では色は白色で、長袖長ズボンが適しています。しかし、服が肌に張り付いて汗がかけなくなると意味がありません。風通しがよく、汗をかいた時に肌に張り付かないようなゆったりした服装が好ましいでしょう。一番よいのが着替えることです。プロ野球選手のピッチャーは毎回のようにユニホームを着替えているといいます」

 汗をかいて服が張り付いたまま過ごすと、毛穴をふさいでしまい、熱が逃げられなくなってしまいます。汗をかいたら拭いたりあおいだりし、肌を乾かして次の汗を出すことが、熱中症を予防するうえで最も大切なことです。フェスではアーティストの物販でタオルやTシャツが売られているので、それらを活用するのもいいでしょう。

■カレーが熱中症対策になる?

 フェスの楽しみのひとつでもある「食べ物」には、熱中症にいいとされるものなどはあるのでしょうか。辛い物や香辛料が利いたものは汗がいっぱい出て水分不足になるのではないかと思われますが、どうでしょうか。

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カレーの香辛料で、腸の動きがよくなる