「ピンポイントで、何を食べたらいいというものはありません。ただカレーなどは汗をかきやすくなるという観点からするといいと思います。カレーを食べて汗で出てしまう水分は、その分、水を飲めばいいのです。汗がかきやすくなればウォーミングアップになり、その後の汗も出やすくなるのでいいでしょう」(清水医師)

 汗をかきやすくする、という観点でカレーは熱中症にいいと言えます。

「また、カレーがいいのは、香辛料で腸の動きもよくなることです。通常、水分は胃に一定時間たまってそのあと小腸で吸収されます。飲んだものを吸収するには胃に停滞する時間を短くしたほうがよく、腸の動きが活性化することで水の吸収がはやくなることはよいことでしょう」(同)

 汗が出たらその分補給しなくては脱水症状になってしまいますが、汗を出せないと熱中症になってしまう危険性があります。汗をかきにくい人はカレーなどを食べて腸のウォーミングアップをして、汗をかきやすくするのもよいでしょう。

「熱中症対策をするにあたって、食べてはいけないものはありませんが、下痢や嘔吐を引き起こすような食べ方は絶対に避けてください。下痢は相当な水分がからだから出てしまい、下痢の状態で熱中症になると生命にも関わってきます」(同)

 イベントの前は下痢などしないようにおなかに優しいものを食べ、当日は汗がよく出て活力がつくものを食べ、真夏の野外を乗り切りましょう。

(文/濱田ももこ)