熊本地震の被災地で診察中の獣医師の小川篤志さん(提供・アニコム損害保険)
熊本地震の被災地で診察中の獣医師の小川篤志さん(提供・アニコム損害保険)

 大阪北部地震発生後、迷い犬・の情報を求める書き込みがインターネットなどで見られた。家族同然のペット。震災時、どう守ればいいのか。

 ドッグアドバイザーの青山富貴子さんは、こう話す。「ペットに生きててもらいたいのか、ずっと自分のそばにいてほしいのか、それを考えておくこと」

 常に一緒にと考えて両方が命を落とす可能性があるからだという。地震で逃げるとき、そのリードを離すことがペットを守る場合もある。

「犬の場合、トレーニングしなくても自分の家に帰るルートを覚えています。生きてさえいたら、たとえ遠く離れてしまったとしても、飼い主のもとに何十キロと歩いて帰ってくることもある」(青山さん)

 被災後、離れ離れになったペットが、どこかで保護されたとき、どうやって捜せばいいのか。役に立つのがマイクロチップの装着だ。15ケタの数字を記録したマイクロチップを獣医師に専用の注射器で体に埋め込んでもらい、その番号と飼い主の連絡先(氏名と住所、電話やファクス番号、メールアドレス)、ペットの情報を日本獣医師会事務局に登録。すると保護動物から読み込んだ番号をもとにデータベースから飼い主にたどり着ける。日本獣医師会事務局によると、

「装着費用は病院によって異なりますが、数千円から1万円。登録料も千円。つけておくとかなり効果が高いのです」

 本地震の被災地で救護を行った獣医師の小川篤志さんは、こう話す。

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