髪は洗いすぎないほうが、自らの皮脂でツヤも出る(※写真はイメージ)
髪は洗いすぎないほうが、自らの皮脂でツヤも出る(※写真はイメージ)

  女性は髪が命。少しでもボリュームとツヤのある髪の毛でいたい、という気持ちは薄毛に悩む男性以上です。日々、髪を巻いたり染めたりと、美しく見せる努力は欠かせません。しかし、髪のために最善の努力をしているつもりが、間違ったヘアケアにより思わぬところで薄毛の引き金になっているとしたら……。女性の髪のセルフケアに詳しい専門医に話を聞きました。

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 カラーリングやパーマ、髪を一つに結んだり、編み込んだり、まとめたり……ヘアアレンジのバリエーションはたくさんあります。ヘアが決まらないとファッションも決まらないという人も多いでしょう。しかし、「いじり過ぎ」は薄毛の原因になるといいます。

「カラーリングの間隔はできれば2カ月、少なくとも1カ月以上は空けたほうが髪のダメージは少ないです。カラーリングとパーマも同時にしないほうがいいですね」

 と話すのは、順天堂大学医学部皮膚科学先任准教授で順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター皮膚科科長の植木理恵医師。植木医師は、昨今の流行やファッション優先のヘアケアに警笛を鳴らします。

 ノンシリコンやオーガニックシャンプーといった、ヘアケア製品の“自然派”志向ブームですが、髪のためにはシリコンが入っていることが必ずマイナスになるわけではありません。そもそもシリコンには、髪をコーティングして指通りを良くし、髪同士の摩擦を抑える効果があります。頭皮の毛穴のつまりやかゆみなどのトラブルが懸念され、ノンシリコンがもてはやされるようになりましたが、ノンシリコンシャンプーの場合、どうしても髪をなめらかに洗い上げにくく、髪がきしんだり絡んだりしてしまいやすいのです。

「シリコンシャンプーも一時のようにシリコンを過剰にいれた商品が減り、改善されてきています。とくにかゆみなどがなければ、シリコン・ノンシリコン、オーガニックにかかわらず、気に入った、自分の髪にあったものを使えばよいでしょう」

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