「職場に関連したストレスで不安感や抑うつ感を自覚したら、それらの背後には“それほどまでしてよい職業生活を送りたい”という自分自身の願望があることに気づくことが第一です。仕事や職場がどうでもいいという人は、ストレスを感じないのです。そして、その願望の達成に向け、まず目の前の仕事を処理するという現実に即した行動をとることが大切です。これを繰り返していると、意識が目の前の仕事に向いて不安感や抑うつ感を感じにくくなっていきます」

 五月病には以上のようなセルフケアと同時に、周囲からのサポートが欠かせない。職場としてのサポートも重要だが、個人として五月病が疑われる人と接する場合の注意点について、勝医師は次のようなポイントを挙げる。

「話を聴く場をもうけ、本人の話をよく聴き、共感することが第一です。その場では自分の主観は言わず、本人がどう感じているかを理解するようにしてください。また、趣味のサークルや昼食会など、一緒に何かをして仕事以外で仲間意識が持てるようにすることも心がけてみてください」

(文・近藤昭彦)