参加者は70~80代中心で、姿勢よく若々しい人が多い。休憩時間になると、参加者の女性(78)が持参の道具で手品を披露し、場を和ませた。マジック教室で学んでいるという。

「姿勢がよく、お若いですね。手品よかったですよ」

 記者がそう話しかけると、「毎朝、ラジオ体操をしています。昼はテレビで『徹子の部屋』を見ながら、ふくらはぎをもむ。5キロのダンベルも時々持ち上げていますよ」と教えてくれた。肌つやも良く、78歳に見えぬ若々しさと笑顔。「年をとったら、努力しないとホントのおばあちゃんになっちゃうでしょ」

 柴田さんは、健康体操の利点をこう説明する。

「美姿勢を意識して運動をすると、足腰が強くなり(筋力強化)、息があがらず歩けるようになり(心肺機能向上)、大けがしにくくなる(柔軟性アップ)などの効果が期待できます。健康に自信が持て、外出が苦でなくなり、生活の質も向上します。食欲が出てよく眠れ、回復力や抵抗力が高まる好循環になる。高齢者の方々の生きる力が高まっていきます」

 参加者の中に、10年以上通う83歳女性と88歳男性の夫婦がいた。夫は半身が不自由なようで、手には杖。記者が「あのぅ、今日はシンドイからサボりたいと思う日はないですか」と聞くと、「ここに来るのが楽しみでね」とのお返事。キラキラした笑顔が印象的だった。(本誌・大崎百紀)

週刊朝日 2018年5月4-11日合併号より抜粋

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