「小中学校の授業に医学を」帯津良一が主張する理由 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「小中学校の授業に医学を」帯津良一が主張する理由

連載「貝原益軒 養生訓」

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帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

小中学校の授業に医学を(※写真はイメージ)

小中学校の授業に医学を(※写真はイメージ)

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。貝原益軒の『養生訓』を元に自身の“養生訓”を明かす。

*  *  *
【貝原益軒 養生訓】(巻第六の27)
頓死(とんし)の症多し。卒中風(そっちゅうぷ)、中気、中悪、中毒(中略)
常の時、方書を考へ、又、其治法を、
良医にたづねて知り置(おく)べし。かねて用意なくして、
俄に所置(しょち)を失ふべからず。

 養生訓で益軒は頓死(急死)についても語っています。「頓死の病気は多い」と始めて、脳卒中、食中毒、凍死、火傷、日射病、破傷風、喉頭浮腫、肺水腫、失血、打撲、小児のジフテリアなどを列挙して、「(こうした病気は)、みんな急死する」と説明しています。確かに、その通りです。

 このほかにも、五絶と称する五つの頓死(いし)の原因をあげています。首をくくる縊死、圧死、溺死、就寝中の急死、婦人の難産の死です。これらはいずれも「暴死」であると語ります。

 急死というのは、本人はあまり死の自覚がないままに死んでしまうので、気が楽だと考える人もいるようですが、私は嫌だなと思っていました。死ぬ際にはゆっくり自分の人生を振り返って総括し、心ゆくまで好きなことをして、それから死にたいと考えていたのです。そのときを考えて、本を買い集めたりもしていたのです。

 ところが、夏目漱石の書いた一文を読んで考えが変わりました。それは「野分」という小説の一節です。

「理想の大道を行き尽くして、途上に斃るる刹那に、わが過去を一瞥のうちに縮み得て始めて合点が行くのである」

 理想を追い求めてまっしぐらに生き、その途中でバタリと倒れる。倒れる刹那に我が過去、自分の一生が一瞬のうちによみがえってくるというのです。この死生観はすばらしいですね。ああ、そうか、急死でも一瞬で自分の人生を走馬灯のように思い出すのならば、それでいいなと思うようになりました。それ以来、死に方は気にならなくなりました。とにかく、理想の大道を行き尽くそうと、覚悟を決めています。


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