時代は終わったと語る小室哲哉(撮影・上田耕司)
時代は終わったと語る小室哲哉(撮影・上田耕司)
会見中に何度も涙ぐんだ小室哲哉(撮影・上田耕司)
会見中に何度も涙ぐんだ小室哲哉(撮影・上田耕司)

 小室哲哉が19日午後、記者会見を開いた東京都港区のエイベックス本社には150人の報道陣が集まった。たった1人で着席した小室は頭を深く下げた後、静かに話し始めた。支離滅裂な言い分、意味不明に思えた発言も多くあったが、なるべく発言のままにお伝えしていく。

【写真】会見中に何度も涙ぐんだ小室哲哉

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 報道により、KEIKOやファンのみなさまにご心配おかけしたこと、相手の方にご迷惑をおかけしたことをお詫びすると同時に、僕なりのこの騒動のけじめとして、引退を決意しました。

 話を2009年までさかのぼらせていただきます。僕は事件で有罪判決(懲役執行3年、猶予5年)を受けました。そして2011年10月、妻の突然の病気(くも膜下出血)。予期せぬことではありました。因果関係もお医者さまにもわからないんですけど……。

 幸いKEIKOに身体的な後遺症はなかったのですが、脳の方にちょっと障害が残りました。少し、欲がなくなってしまったりとか、僕から見て、女性から女の子という、すごくやさしい性格になったのかなと初期はそう思いました。

 一番、ショックを受けたのは、KEIKOは歌手ということで大きな存在だったと思うのですが、残念なことに音楽に興味がなくなってしまって、カラオケに誘ったり、音楽のインターネット番組を見せたり、CDを聴かせたり、僕なりにいろいろと誘ってみたのですが、音楽に興味を持つということは日に日に減ってきました。

 今年で7年目になるんですが、初期の頃、何とか無理やりレコーディングスタジオに連れて行き、KEIKOの心境を僕が歌詞にした歌を何とか録音したことがあります。未発表曲になっておりますけど。それ以降は「もういいよね」ということで、ほぼ歌うことということはなくなりました。それが現状です。

 これも恥ずかしい話なんですが、今は彼女は小学4年生くらいの漢字のドリルとかが楽しいみたいです。すべてがそういうレベルでは全くないですけど……。

 そういう中で、夫婦として、大人の女性としてのコミュニケーションが日に日にできなくなってきています。

 電話や会話がだんだん1時間から10分、5分、3分みたいな間しかもたなくなっています。

 非常にかわいそうだなという気持ちもあるんですが、そこをあきらめてはいけない。それが精神的なサポートということなんだと承知の上だったんですが、何度も繰り返しの質問であったりとかで、3年前からちょっと疲れ果ててしまっていたところはあったとは思います。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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