――安室奈美恵さんが引退すると発表しましたが。安室さんの引退は小室さんに影響があったのか。

 安室さんの引退宣言というのは非常に理解はすぐできました。美学というか。美学を貫くという意味では、非常に素敵だなと思います。自分もいずれ素敵な形で身を引けたらいいなと思いました。まだ1週間足らずの決断ですので、何までが許されて、何までが許されないのか正直、自分で判断ができてないんですね。お騒がせした、それを償うという図式しか今ないです。

――小室さんは満身創痍。この先、KEIKOさんと引退後、幸せに過ごしていく気力はお持ちですか?

 みなさんの前でお話するというエネルギーだけで今精一杯。1人になって、どのくらい涙が溢れ出るのか、何てことを言ってしまったのだろうという悔いが出てくる可能性は十分にあると思います。悔いなしなんて言葉はひと言も出てこないです。

〈会見の終了間際、スタッフが「みなさん、長時間ありがとうございました。これで会見を終わらせていただきます」と 150 人の報道陣につげると、それをさえぎるように、小室は「最後に一言だけ、すいませんです」と言って話し始めた〉

 僕たった一人の人間の言動などぜんぜん、日本であったり、社会が動くとはまったく思ってませんが、先ほども言いましたように、高齢化社会に向けて、介護の大変さであったりとか、それから社会のこの時代のストレスであったりだとか、少しずつですけれど、この 10 年でふれてきているのかなと思っているので、こういったことを発信することで、この日本を何かいい方向に、少しでもみなさんが幸せになる方向に動いてくれたらいいなと、心から思っております。微力ですが、少し何か、響けばいいなと思っております。ありがとうございます。

〈小室がそう語り終わると、スタッフが「それではこちらの方から退場させていただきます」と言い、小室は退場。本当に会見が終了した〉

* * *
 小室は今後、1月24日に武道館で浅倉大介との音楽ユニット「PANDORA」としてのライブを行い、2月6日のNHKの「うたコン」には生出演する予定だという。
(本誌・上田耕司)
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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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