「(期待されたメダルがかなわず)結果が伴わなかった時に、さてどうしようと。でも上村さんに一言期待しながら、何を彼女は言うのか注目の瞬間ですね。私にとって、これ、何をどうやって聞いたらいいんだろうって思いながら、聞いた瞬間に、上村さんが言ったのが『でも清々しい気持ちです』で、あのひと言がすごい印象に残っていて、後日ですね、実は上村さんに聞きました。『どう考えても私の聞き方が良かったようには思えなかったんですけど、どう考えていらっしゃったんですか』と聞いたら、『インタビュアーの杉浦さんがあまりに困った顔でとまってるんですもの。ダメだこりゃ、もう泣いたりしちゃいけないやと思ったよー』と言われました。色々な複雑な思いがあったんですが、上村さんは素晴らしい人だなと思いました。選手っていろんな気持ちを抱えてやってるんだなってことがすごくわかった言葉だったので、上村さんと共にできることを光栄に思います」

 隣に立つ上村さんは「杉浦さん、あの時はありがとうございました」と笑顔。

 最後に平昌オリンピックに出場する日本人選手たちへの期待を述べた。

「選手をやっていて、私は最後の最後までメダリストにはなれなかったんですけど、やっぱり金メダルを目指してせいいっぱい取り組んでいく中で、どんな人が金メダリストになるんだろうとか、どんな考えでいれば私はそこに近づけるんだろうって他の競技を見ていた。金メダルを取られる方は何か特別なものがあるのかなと考えすぎていた。里谷(多英)さんも荒川(静香)さんもそのほかの金メダリストも純粋に競技に向き合ってるんだと。金メダルを争うからこそ感動があるんだと思う。ソチの浅田真央さんの演技もそうでしたが、金メダリストだけでなく、その時に精一杯の、それまでに積み重ねてきたものを出し切れた人の姿ってすごく感動するので。皆さんのそんな姿をたくさん見たいなと思っています」

 今回の五輪中継では浅田真央さんの動向が注目されているが、本人にその気があるのか否かは不透明だ。来年2月に迫った、平昌五輪の視聴率合戦は、すでにはじまっている。(本誌・大塚淳史)

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