「がん治療革命」来る! 「当たりはずれ」ありは過去になる? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「がん治療革命」来る! 「当たりはずれ」ありは過去になる?

このエントリーをはてなブックマークに追加
週刊朝日#ヘルス

がんの治療が転換期を迎えようとしている(※写真はイメージ)

がんの治療が転換期を迎えようとしている(※写真はイメージ)

これまでのがん治療とプレシジョン・メディシン(週刊朝日 2017年12月22日号より)

これまでのがん治療とプレシジョン・メディシン(週刊朝日 2017年12月22日号より)

 がんの治療が転換期を迎えようとしている。国が推進する「がんゲノム医療」とは何なのか? 何が変わるのか? まだ多くの国民には理解しがたいものだが、今後注目の医療であることは間違いない。好評発売中の週刊朝日ムック「がんと診断されました 3大治療とゲノム医療」から、その一部をお届けする。

 新聞やテレビなどで「がんゲノム医療」という言葉を目にする頻度が高くなった。一人ひとりの遺伝子情報から異常な遺伝子を特定し、その異常に適した手段でアプローチするという、きわめて個別性の高い治療法だ。

【図版】これまでのがん治療とプレシジョン・メディシンはこちら

 アメリカのオバマ前大統領が演説で述べた「プレシジョン・メディシン」という概念がこれに当たる。日本語で精密医療、個別化医療などと訳される。国内でも、このほど策定された「第3期がん対策推進基本計画」で、がんゲノム医療の推進が目標に掲げられ、注目が集まっている。

 従来のように、「Aという病気」に対しておこなう治療ではなく、「△△さんのAという病気」を対象とする、まさに「個別化医療」といえるものだ。

 がんに対する従来の治療法は、胃、大腸、肺など、臓器ごとに区分けして、胃がんなら胃がん向け、大腸がんなら大腸がん向けとして開発された薬剤などが用いられてきた。大規模な臨床試験により「統計的にみて」効果があるとして承認された薬剤だからだ。

 しかし、この治療法だと、同じ薬を使っても患者によって薬効に差が生じる。患者からすると「当たりはずれ」があり、治療してみないとわからない、という面が小さくなかった。

 そこで、患者のがん細胞の遺伝子情報を解析し、変異の起きている遺伝子を突き止め、その遺伝子変異に対して効果のある薬を使うことで、より確実性の高い治療をおこなおうというのが、がんゲノム医療の基本的な考え方だ。

 この治療法を正しく理解するうえで、まずは「なぜがんが発生するのか」を押さえておく必要がある。

 私たちのからだは約37兆個の細胞から成り立っていて、それぞれが常に分裂を繰り返すことで新陳代謝がおこなわれている。この細胞が分裂していく過程では、遺伝子もコピーされる必要がある。遺伝子が完全に正しくコピーされれば、細胞分裂も正常に繰り返されていくが、重要な遺伝子に何らかの異常が起きると、細胞にも異常が生じることがある。これががん細胞の生まれる原因だ。

 がんゲノム医療は、この「がんが発生する根源」である遺伝子異常が、どの遺伝子で起きているのかを突き止め、より効果的な治療に結びつけようとするもの。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい