ただ、導入している施設は全国で十数カ所。施術数も、レーシックの年間5万件に対し、スマイルは3千件だ。治療に使うレーザーが1社(独カールツァイス社)のもので、値段が数千万円以上と、高額なことが障壁になっているという。

 一時期ブームとなったレーシックは、スポーツ選手が受けたことで話題となり、08年ごろには施術件数は年間40万件に上った。美容医療系のクリニックも参入して値引き合戦が過熱。結果として質が低下し、後遺症に苦しむ「レーシック難民」も生まれた。一部の医療機関では医療訴訟にまで発展した。

「急速に普及して、“スマイル難民”が出ることは避けたい」(同)と、15年に神谷医師や中村医師らスマイルを行う眼科医で「リレックス スマイル研究会」を立ち上げた。信頼できる施設を認定クリニックと位置づけ、治療を希望する人に紹介し、トラブルの相談にも対応する。

「レーザー近視矯正手術で大事なのは術前検査。近視や乱視の強さのほか、角膜のひずみや形状、本人の意思で調節麻痺下での屈折の程度などを調べます。ご自身で探す場合は、検査と説明がしっかりしている施設を選んでください」(前出・神谷医師)(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2017年11月17日号