こう語る前出デスクは、クロース氏がマー君にオプトアウトさせるとみる。メジャーは球団数が増えて慢性的な投手不足となり、投手は売り手市場のためだ。

「ヒジに不安を抱えながらも、1年通してローテーションを一応守った貴重な戦力。オプトアウトし、ヤンキースからより良い条件を引き出しての再契約をクロース氏はねらうでしょう」

 マー君自身は報道陣からの質問に、「特に何も考えていない」と答えた。ニューヨークに残りたいか?との質問には「繊細な問題なのでコメントしたくない」。その様子が一部米メディアで「氷のように冷たい態度」とも報じられた。

 わかりにくい日本人男性の代表のような無表情な顔が目に浮かぶ。プレーオフでアストロズに負けたあとの囲み取材で、惜別の涙?とも言われ、強く否定した。

 米大リーグに詳しいベテラン記者はこう解説する。

「どうせ残りたいんだろと足元を見られる言動は控えろと、代理人から釘を刺されているのかも(笑)。クロース氏はA・ロッドやサバシアなど超大物選手の代理人として、オプトアウトで好条件を引き出してヤンキースと再契約した実績があります。マー君にもオプトアウトさせるでしょう。クロース氏はマーリンズを買収したグループの一員のジーターとも仲が良い。ヤンキースが渋れば、マーリンズを引き合いに好条件を引き出すんじゃないですか」

 マー君の決断はいかに。(黒田 朔)

週刊朝日 2017年11月10日号