元日本代表選手でJBLのアイシン時代にリーグ優勝4回の経験があります。プロ意識も高く、若手にとっては最高のお手本です。柏木も積極的に声をかけてくれる。彼の存在はプラスしかないですね。

――かなりの争奪戦だったと聞きましたが

 とにかく必死でしたよ(笑)。交渉の時は「柏木の力がとにかく必要だ」とストレートに伝えました。

――今季、主将にはチーム3年目のジャスティン・バーレル選手(29)=米国=を指名しました。外国籍選手の主将は名古屋だけです

 JB(バーレル選手の愛称)が契約を更新した時から、主将は彼しかいないと思っていました。人を引きつける力、まとめる力ともに持っています。コート上で選手を鼓舞したり、負けて落ち込んでいる時はみんなを食事に誘ったり、ケガしている時は裏方の仕事を率先したり。ある時、ドーナツを全員分買ってきてくれたこともありました。「主将はJBしかいない」と言ったら、「OK! 任せてくれ」と快く引き受けてくれました。

――副将はチーム2年目の張本選手(25)です

 若手選手から頼りにされる兄貴分です。性格も明るくチームのムードメーカー。日本代表でもあり、彼には絶大な信頼を置いています。今季も外国籍選手に果敢にアタックし、体を張ったディフェンスも期待しています。2020年の東京五輪に向けて、スモールフォワードでの起用も考えています。

――この4年間で3人のHCの下、アシスタントコーチを務めました。それぞれの特徴を教えてください

 3人とも素晴らしい方で、多くのことを学ばせてもらいました。ラング氏はNBA経験が豊富で、理念、理論、引き出しをいくつも持っていました。スペイン出身のロペス氏は練習での徹底ぶりがすごかったです。一つのプレーをできるまでやる。米国と欧州で対照的でした。ラング氏は時間で区切る、ロペス氏は一つのプレーができないと30分以上かけてでもやる。求めるものができないと厳しかったです。

――直近2年間のHCだった戦術家ゲーリー氏は?

 攻撃も守備もアイデアが豊富で、自分に色々なチャンスをくれました。チームの紅白戦の時は紅組の戦術を任せてくれたり、練習メニューも担当させてくれたり。人間的にも素晴らしい方でした。

――梶山さんは優しい性格と言われます。選手に怒ることもあるのですか?

 それよく言われるんですよ(笑)。「厳しく指導できるのか?」とか「活を入れられるのか」とか。みんな一生懸命練習するし、注意すればしっかり理解してくれるので、まだ怒ったことはないですね。まあ、いざという時は怒ります。頑張ります。

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