――これまでの重要なテーマは“恋”でした。たとえば名曲「青春時代」の「桜咲く放課後に初恋の風がスカートを揺らす」みたいな作風は、年齢とともに変わっていくのでしょうか。

 60歳になっても70歳になっても、僕は女の子のミニスカートの中を覗きたい(笑)。今後もそういう詞を書いていきたいです。

――「エンジェルベイビー」の歌詞は「どうして僕 いつもひとりなんだろ」と始まり、「自意識で息が詰まる頃ラジオからロックが流れた」「ロックンロールは世界を変えて」と続く。峯田さんが解き放たれていく印象を受けます。「ひよっこ」、初の武道館、40歳。今年の峯田さんは大きく変わろうとしている……そういう見方は当たってますよね。

 当たってるんじゃないですか。やっぱり「生きたい」を出せたのが大きいと思いますね。

*  *  *

 インタビュー後、差し出がましいこととは思いつつ、峯田さんが歌ったらきっと似合うだろうと勝手に考えた12曲のリストを示した。沢田研二、河島英五、西田敏行、上條恒彦、浜口庫之助……山口百恵も含め、古い歌ばっかり。リストを眺めていた峯田さんが突然目を見開き、ある曲名を指さして言った。

「この曲、どうして選んだんです? これ、そのうち歌いますよ。いやあ、びっくり! 驚いたなあ」

(構成・佐藤修史)

峯田和伸(みねた・かずのぶ)/1977年、山形県生まれ。GOING STEADYのボーカル&ギターとして99年にCDデビュー。2003年から銀杏BOYZでバンド活動を続ける。今年7~9月に新曲「エンジェルベイビー」「骨」「恋は永遠」を相次いで発表。10月には初の武道館公演に臨む。映画「アイデン&ティティ」「ボーイズ・オン・ザ・ラン」、NHKドラマ「奇跡の人」で主演を務めるなど、役者としても活躍している。

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