――上京して大学に入ってから本格的に……。

 卒業したら電器屋を継ぐという条件で学費を出してもらっていました。だったら大学の4年間で好きなことをやってみよう、と。僕の周りにいるバンド未経験の友だちに「楽器やってみねえ?」って感じで声をかけて始まったんです。そしたら面白くてやめられなくなってしまって。山形に帰るつもりだったのに。そうやって結成したのがGOING STEADY(以下、ゴイステ)です。3年生だった99年、最初のアルバムを出しました。大学を休みながらツアーをして、先生に単位をもらえるように頼み込んだりしてました。

――バンド名の由来は、ジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズの曲かと思っていましたが、バズコックスですってね。

 あはは。どっちも入っていますよ。

――ゴイステは、主に恋愛をテーマに若者の衝動を歌い、“青春パンク”と評されました。歌詞は、自分の思いや経験をモチーフにしていたんですか。

 そうです。当初は歌詞も書いたことなかったし、演奏も自己流で……。かっこいいなあと憧れるバンドはいっぱいあったけど、どうあがいてもそうはなれそうになかったので(笑)、メンバー間で「しょうがねえよな」って言っていました。

――でも、2001年のアルバム『さくらの唄』は大きな評判を呼びました。安達哲の漫画『キラキラ』にも通じる、若者だけに許されるピュアな叫び……。

 あ、漫画から拝借してタイトルをつけることはよくあります。『さくらの唄』もそうですし、「漂流教室」という曲も楳図かずおの漫画からですし。

――ギタリストを入れ替え、銀杏BOYZとして再出発したのが03年。05年に同時発売したアルバム『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』と『DOOR』の2作は傑作でした。この2作は会心の出来だったのでは?

 どうですかねえ。あの頃はよく分かんないまま出していました。自信があるのは14年に出した『光のなかに立っていてね』の方ですね。

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