パン・ウェイ/薬膳料理教室主宰。「今日の食は、5 年後のからだのために」が信条。近著に『毎日からだを調える中華スープ』『中華小菓子』(共に誠文堂新光社)
パン・ウェイ/薬膳料理教室主宰。「今日の食は、5 年後のからだのために」が信条。近著に『毎日からだを調える中華スープ』『中華小菓子』(共に誠文堂新光社)

 あまりの蒸し暑さに、食欲もダウンしがちな今日このごろ。酢を使った簡単な常備菜を食事に取り入れて、夏バテしないように心がけよう。疲労回復に、日々の健康管理に活躍してくれる酢大豆を紹介する。

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 パン・ウェイさんは、中国・北京生まれの食養生研究家。日々の食事で体調管理し、自分の力で健康を維持していくことを提唱している。そんなパンさんが夏バテ防止に毎日食べ続けているものがあるという。それが「酢大豆」だ。

「酢大豆は、私の免疫力アップと健康維持のもとです。酢大豆を食べ続けているせいか、私は夏にバテるという経験をしたことがありません。酢大豆は大豆と黒酢と黒砂糖で作ります。黒酢の酸味の利いた大豆はさっぱりしていて、さまざまな料理に使えます。作りおきして冷蔵庫に保存しておくと、とても便利ですよ」(パンさん)

 作り方はいたって簡単。

乾燥大豆を一晩水に漬け、そのあと1時間蒸す。蒸し器がない場合はもちろん、水煮でもかまわない。

「そのあとザルにあげて天日に干すので、水煮の場合は少し干す時間が長くなると思いますが、どちらでもかまいません。そして黒酢、黒砂糖と混ぜ、2日ほどしてから食べ始めてください」

 北京の昔ながらの作り方だと、3週間ほど漬けてから食べ始める。

「3週間ほど漬けると大豆に味もしみこみ、全体的にまろやかな感じになるからです。でも酸味の利いたおつまみとして食べたい方は、どんどん召し上がってもかまいませんよ」

 大豆は良質なたんぱく質。そして酢には疲労回復につながるクエン酸がたっぷり含まれている。

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