■渡辺元智・横浜高校前監督×荒木大輔が選ぶ10試合(2006年以降)

88回大会(2006年)決勝 早稲田実業 4-3 駒大苫小牧
駒大苫小牧の田中(将大=現ヤンキース)投手を相手に、最後まで粘り強く戦った後輩たちはたくましかった(荒木)
88回大会(2006年)準々決勝 智弁和歌山 13-12 帝京
高嶋仁監督と前田三夫監督。同じような気質と性格の監督同士の最後まで息の抜けないゲームでした(渡辺)
89回大会(2007年)決勝 佐賀北 5-4 広陵
大逆転を期待する空気が今の甲子園にはありますが、そのきっかけとなったような試合でした(荒木)
91回大会(2009年)決勝 中京大中京 10-9 日本文理
日本文理の9回の猛攻を受けながらも、名門・中京大中京の勝利への執念が伝わってきた試合でした(渡辺)
93回大会(2011年)2回戦 横浜 6-5 健大高崎
今や浸透している健大高崎の走塁術。あの試合でも「足」を警戒する中での心理的な戦いでした(渡辺)
94回大会(2012年)1回戦 桐光学園 7-0 今治西
桐光学園の松井(裕樹=現楽天)投手のスライダーは、高校生レベルではなかなか攻略が難しかった(渡辺)
95回大会(2013年)1回戦 仙台育英 11-10 浦和学院
浦和学院の小島(和哉)投手は内角を中心によく投げていましたが、甘く入った球を打たれていた印象(渡辺)
95回大会(2013年)2回戦 前橋育英 1-0 樟南
エースが先発しない試合が増えている中で、エースの2試合連続完封は珍しく、素晴らしかった(荒木)
98回大会(2016年)2回戦 東邦 10-9 八戸学院光星
ドラマを期待している甲子園の空気。打たれた投手の心理を考えれば、つらい試合でもありましたが……(荒木)
98回大会(2016年)準決勝 北海 4-3 秀岳館
どんなチームでも甲子園では諦めてはいけないというものを教えてくれた、教科書のような試合でした(渡辺)

週刊朝日 2017年8月11日号