なかでも眞子さまに対する両陛下の期待は高かった。美智子さまは、学業と公務を懸命にこなす眞子さまの姿に、「さすが(天皇家の血を引く)内親王ね」と目を細めたこともあった。

 しかし、安倍政権に代わり議論は立ち消えに。

 まもなく、眞子さまは小室さんと結婚を意識した交際をスタートさせた。

 14年5月。宮内庁が、高円宮家の次女、典子さんと出雲大社の千家国麿(せんげくにまろ)さんの婚約内定を発表してしばらくすると、永田町や皇室周辺で、あるうわさがささやかれ始めた。

「水面下で、秋篠宮家の内親王と旧皇族とのご結婚の可能性が探られている」

「秋篠宮家の紀子さまも、否定的ではないようだ」

 真偽がわからないまま、新しいうわさも加わった。

「宮家のある女性皇族が、旧皇族の若い男性とお見合いしたようだ」

 昨年の天皇陛下の退位問題以降、民進党は「女性宮家創設」へ向けて声を強めてきた。他方、「男系男子による皇統の維持」を主張する安倍首相は、反対の姿勢をみせていたが、今年に入り、こんな考えを漏らすようになった。

「旧皇族の男系の男性と結婚する女性皇族がいたら、宮家を創設してもいい」

 首相周辺は、保守系論者に旧皇族につながる男系男子の情報整理を依頼した。外堀が埋まり始めた。

 ある政府関係者が言う。

「付帯決議に『女性宮家創設』への準備が明記されれば、眞子さまの恋愛が政治に巻き込まれる。眞子さまと小室さんの決意を確認した秋篠宮家は、眞子さまの意思を尊重しようと決めたのではないか」

 食い止めるためには一刻も早く、眞子さまが「女性宮家創設」から辞退するという意思表示を行う必要がある。先の政府関係者は、続けてこうつぶやいた。

「婚約内定の準備が整わない中途半端な段階でのスクープには、そうした背景があったのではないか」

週刊朝日 2017年6月2日号より抜粋