天皇誕生日の一般参賀に立つ眞子さま(撮影/写真部・松永卓也)
天皇誕生日の一般参賀に立つ眞子さま(撮影/写真部・松永卓也)

 筆頭宮家、秋篠宮家の長女、眞子さま(25)と国際基督教大学(ICU)時代の同級生、小室圭さん(25)が婚約の準備を進めている。しかし、この慶事は、「女性宮家創設」議論に一石を投じた。皇室を取り巻く思惑は様々に交差する。

「女性宮家への、ご辞退宣言ということか」

 5月16日午後7時。「眞子さまご婚約へ」の一報を耳にして、政権に近い日本会議の関係者はつぶやいた。官邸幹部も、「このタイミングで発表するつもりはなかった」と当惑の表情をみせた。

 官邸はもちろん、山本信一郎宮内庁長官も、この件について報告を受けたのはわずか数時間前であった。

 天皇の直系の孫である内親王の慶事である。本来なら思わず顔をほころばせるような、心温まるニュースのはずだった。だが祝福の声であふれる巷の様子とは裏腹に、永田町や宮内庁関係者らの反応からは、複雑な心境がにじみ出ていた。

 3日後の19日には、光格天皇以来約200年ぶりとなる天皇陛下の退位を実現する特例法案の閣議決定が控えていた。

「国会での法案採決に合わせて、民進党は『女性宮家』創設への道筋となる付帯決議へ向けて、与党と対決へと意気込んでいた。そのギリギリのタイミングで、婚約へ向けた準備を進めていることが明らかになった。女性宮家創設の主人公となるはずだった内親王に足元を崩された形ともいえる」(政治部記者)

 そもそも女性宮家構想の発端は、2012年秋。民主党の野田政権は皇族の減少を食い止めようと、「女性宮家創設」を軸とする論点整理を打ち出した。

 当時の宮内庁幹部によれば、「両陛下も、眞子さまと佳子さま、東宮家の愛子さま方、直系の内親王には皇室に残り、将来の天皇となる悠仁さまを支えてほしいと考えていた」という。

 実際、眞子さまが16歳を迎えた時期から、ご両親と同行する公務がケタ違いに増えた。黒田清子(さやこ)さんが同じ年頃の時期と比べても段違いに多かったという。

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