公立校では、日比谷(東京)がトップで、旭丘(愛知)、県立浦和(埼玉)、横浜翠嵐(すいらん・神奈川)も健闘。有名私立中から日比谷へ進学し、理Iに現役合格した西山鈴音さん(18)はこう話す。

「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されているので、日比谷を志望しました。高校は本当に楽しかった。大学では素粒子物理学を学びたい」

 同じく都立の三鷹中教の齋藤若奈さん(18)は、塾に通わず文IIに現役合格。「学校の先生から『お前はセンスがある』と言われ、自信になりました(笑)。周りの人に支えられ、合格できました」と話した。

 合格者の出身校の所在地は、東京を含む関東が67人減り、それ以外の地方が45人増えた。

 前出の石原さんは「ここ数年は受験生が安全志向になっていたが、今年は東大に果敢に挑戦する生徒が増えた。私大入試でも知名度の高い大学の志願者が増えており、保護者の意識が『これからも高校生に選ばれる大学に入学してほしい』と変化しているのでは。入試で激しい競争のある大学が『選ばれる大学』になっています」と話す。

 京大は、洛南(京都)がトップ。公立校が躍進し、膳所(ぜぜ・滋賀)や北野(大阪)が前年を上回った。堀川(京都)は京大で減ったが、東大で増やした。

週刊朝日 2017年3月24日号