10年ぶりに米ツアーで優勝したロッド・パンプリング選手を丸山茂樹氏が称賛する。

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 いやいや、驚きましたね。僕と同い年の男が勝っちゃいました!

 米PGAツアーの「シュライナーズホスピタル・オープン」(11月3~6日、米ネバダ州ラスベガスのTPCサマリン)で、オーストラリアのロッド・パンプリング(47)が10年ぶりの米ツアー優勝を飾りました。僕と同じ通算3勝目です。

 初日、2日目といい感じだなと思ってたら、最終日に2位から出て、終わってみたら2位に2打差をつけてね。お互い若いころから親しくしてきたんで、途中から応援してたし、僕もうれしかったですよ。

 僕が米ツアーに参戦する2000年の少し前ぐらいに知り合って。普段はほんとに明るくて、でもプレーはちょっと短気なとこがあるんですけどね。同い年ってこともあって、気が合ったんだろうね。よく練習ラウンドもやりました。

 すごい飛ばし屋でね。僕なんかよりも平均で10ヤードは飛んでましたよ。当時で290ヤードぐらいだったんじゃないですか? ロサンゼルスの僕の自宅から近いリビエラCCでの試合に松山英樹(24)の様子を見に行ったりすると、たまに彼とも会えてね。前回会ったときに太ってたから、「腹出てきたな」と言ってやったら、大笑いしてました。「ベアー()だ」って。

 まず僕にはもう到底できないことだし、健康でね、ゴルフを一生懸命やってる姿を見て、それでなおかつこんなパワーゴルフの時代に47歳で勝つなんて。立派と言うしかないですね。

 国内男子ツアーの「平和PGM選手権」(11月3~6日、千葉・総武CC総武)は谷原秀人(37)と池田勇太(30)によるプレーオフになりました。谷原が2ホール目で勝って2連覇。今シーズン3勝目でした。

 僕はテレビ解説のお仕事で行ってたんで、最終日にトップタイで出た谷原に関して、「難しい10番から13番が勝負ですね」という話をしてたんです。そしたら、谷原はそこでスコアを三つ落とした。僕はもう、あの時点で谷原はヤバいと思ったんです。僕はあんまり予想を外さないんですけど、今回ばかりは完全に覆されました。

 
 谷原は16、17番の連続バーディーでカムバックしました。普通あんだけのダメージを受けたら立ち直れないと思うんですけどね。リズムも壊してたし。本人も「こんなに調子の悪い中で勝てたのは初めて」ってコメントしてるでしょ。あそこから引きあげていく力があるんですね、今シーズンの谷原には。粘れるようになりましたね。

 最後にお知らせです。今年もスバルさんの特別協力を受けまして、12月23日に東京で「丸山茂樹ジュニアファンデーション Xmas Golf for Kids Supported by SUBARU」というイベントを開きます。

 僕と内藤雄士ツアープロコーチ、渡邉彩香さんも参加してくれて、小学生のみなさんと一緒に「スナッグゴルフ」を始め、いろんなアトラクションで楽しい時間を過ごします。小学1~6年生のゴルフ初心者・初級者が対象です。申し込みはすでに始まってます。丸山茂樹ジュニアファンデーションのオフィシャルホームページからお願いします。締め切りは11月30日。参加費は無料です。ドシドシご応募ください!

週刊朝日 2016年11月25日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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