AERA dot.

妻から「死んでほしい」と思われる夫の特徴

このエントリーをはてなブックマークに追加
(更新 )

「妻が、自分の死を望んでいる」(※イメージ)

「妻が、自分の死を望んでいる」(※イメージ)

夫に死んでほしい妻たち

小林美希著
定価:842円(税込)

978-4022736611

amazonamazon.co.jp

「妻が、自分の死を望んでいる」。ドラマの中だけの話だと思うかもしれない。だが現実に、妻による夫の殺害事件は多数発生し、どんな家庭にもその萌芽はあり得るという。夫に「死んでほしい」と願う妻たち。怨念の裏に潜むものとは─―。

 夫婦の間には、多少のいさかいやすれ違いはあって当たり前。長年の積み重ねで冷え切った夫婦関係もあるだろう。だが、それが殺意にまで膨れ上がるきっかけは何なのか。

“夫殺し”(未遂を含む)を追っていくと、時々、「本当にそんなことで?」という簡単な理由で、その一線を越える事案に出くわす。昨年3月、大阪府堺市で起きた殺人未遂事件もその一例だろう。

「ホワイトデーのお返しをくれなかった」

 妻(当時43歳)が激高し、12歳年下の夫の首をネクタイで絞め上げたのは、こんなささいな理由だった。

 元東京地検刑事部副部長で、弁護士に転身、数多くの殺人事件も担当した若狭勝衆院議員は話す。

「動機は犯行に踏み切るための、小さなきっかけにすぎないのです」

 殺人事件は大きく「激情型」と「計画型」に分けられるが、男性は激情型が、女性の場合は計画型の比率が高いという。

「女性はコップに水がたまるように、徐々に不満を募らせ、年月を経て水位が上がっていく。いよいよコップの縁ぎりぎりまでたまったところに、小さな滴がポタリと落ちると、一気に不満があふれ出し、大胆な犯行に及ぶことがある」(若狭さん)

『夫に死んでほしい妻たち』(朝日新書)の著者、小林美希さんは、

「女性たちはあらゆる年代で、夫に対してそれぞれの不満・鬱憤(うっぷん)をためている」

 と指摘する。

 若い世代はまず、出産がひとつの節目だ。それまで何の問題もなかったカップルも、出産を機に夫が本性を現して危機に直面する。

 第1子を授かった夫婦の約6割が、「生まれて初めて抱いた赤ちゃんがわが子」という時代。職場に妊婦も少なく、男性も女性も妊娠の実態に触れる機会がないまま、子どもを迎えてしまうことが多い。

「それでも女性は妊娠・出産を通じて親としての自覚が芽生えやすいのですが、男性は実感が薄いままわが子が生まれて、うろたえるばかりになることがある。妻の身体的・精神的負担も理解できない。これが妻の夫に対する不満の始まりです」(小林さん)

 激動の子育て期が終わっても、妻の鬱屈はたまる。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧



このエントリーをはてなブックマークに追加