動物写真家の岩合光昭さんの世界のを訪ねる旅をお送りする。今回は、スペイン・バルセロナの猫。

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 どこか疑わしげな眼差しを向ける3匹の猫。その理由は――。

 首都マドリードに次ぐ第2の都市、バルセロナ。建築家のガウディが造った「グエル公園」は多くの観光客が訪れる名所だ。

 公園で白黒のメス猫を見かけ、離れてついていくと、人通りの少ない静かな場所で立ち止まった。目の前の土穴からふいに子猫が2匹、姿を現す。

 格好の隠れ家に感心していると、何やら視線を感じる。ファインダーを覗くと、闖入(ちんにゅう)者に気付いた親子3匹に、こちらが誰何(すいか)されていた……。

岩合光昭(いわごう・みつあき)
1950年生まれ。動物写真家。NHK BSプレミアムにて「岩合光昭の世界ネコ歩き」放送中。

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週刊朝日 2015年11月13日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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