「引退前の宮本は山田のことを買っていて、自分が抜かれるとしたらコイツだ、後継者になりうると思っていた。だからこそ期待を込めて『頭を使え』『右打ちしろ』『カウントに応じたバッティングをしろ』と小姑のように口うるさく言ってました。山田は素直なので宮本への不満を口にしたことはなかったが、煩わしいと思ってたはずですよ(笑)」(同前)

 日本代表に選ばれたときはそのキャプテンシーを評価され、ヤクルトの将来の監督候補と言われる宮本だった。

「宮本の言うことは正論なんですが、いかんせんしつこすぎる(笑)。同僚たちからはうるさがられ、いなくなってみんなホッとしていました」(ベテラン記者)

 意外な評判には驚くばかりだが、良薬も口に苦すぎたのか? 彼が引退してチームを去ったことが、ヤクルトの好調のみならず、走攻守三拍子そろった内野手の誕生につながったとしたら、何とも皮肉な話である。

週刊朝日  2015年10月2日号