柚木和代代表取締役社長ゆのき・かずよ/1983年、京都精華大学卒、同年大丸入社。本部MD企画部付(パリ駐在員事務所勤務)、大丸松坂屋百貨店執行役員などを経て、現職(撮影/写真部・大嶋千尋)
<br />
柚木和代代表取締役社長
ゆのき・かずよ/1983年、京都精華大学卒、同年大丸入社。本部MD企画部付(パリ駐在員事務所勤務)、大丸松坂屋百貨店執行役員などを経て、現職(撮影/写真部・大嶋千尋)
柚木和代さん(右)と長友佐波子編集長(撮影/写真部・大嶋千尋)
<br />
柚木和代さん(右)と長友佐波子編集長(撮影/写真部・大嶋千尋)

『週刊朝日』の長友佐波子編集長が今を輝く女性にインタビューする「フロントランナー女子会」。今回は博多大丸代表取締役社長の柚木和代さんです。

*  *  *

長友:柚木さん、5月から博多大丸の社長になられたんですよね。私、福岡には転勤で3年いたんですよ。

柚木:そうなんですか! じゃあ博多のことはよくご存じですね。

長友:いい街ですよね。職住遊接近で商業施設は多いし……でも逆に見ればそれだけ激戦区でしょうね。柚木さんは博多大丸をもり立てるミッションで行かれたんですか?

柚木:さまざまな商業施設がひしめく中、競争に打ち勝つ強い店にするという大きなミッションはあります。今、博多って本当に激戦区なんですよ。中心地である天神地区は弊社の他に岩田屋さん、三越さん、パルコとかのファッションビル、地下街もあるし、再開発されたJR博多駅には阪急さんが出店したし。

長友:そういう中でどういう戦い方をするんですか?

柚木:百貨店なのでお子さんから高齢者までという全方位型ではあるんですけど、もう少しメインターゲットを明確にした店作りをしようと思っています。

長友:ターゲットって?

柚木:アラフィフ世代は重要ですね。今も弊社は九州で唯一シャネルがあったり、都会的なブランドのラインアップでバランスはいいんですよ。でもバランスの良さは特徴にはならない。もっとこだわり感や、百貨店らしいグレード感を出して他と差別化していかないと、結局は支持されないと思います。

長友:福岡といえば、今、中国人客の爆買いがすごいんじゃないですか?

柚木:そうですね。インバウンドの売り上げは去年の10月、11月くらいから上がっていて、毎月、前年比の2・5倍から3倍は売れています。ただ、博多は街としての受け入れ態勢にまだ整備が必要だと感じています。巨大な客船で来て、100台くらいのバスが動くんですけど、問題はそのバスをどこに止めるか。天神地区には大きな駐車場がないんですよ。

長友:たしかに。

柚木:受け入れ態勢の強化は弊社にとっても課題。これまでは既存の品ぞろえで対応していましたが、外国人のお客様に特化した売り場を作るなど、より集客につながることを秋から本格的にやる予定です。

週刊朝日 2015年9月25日号より抜粋