下流老人…リーマンショック後、ドヤ街が低年齢化

2015/06/25 07:00

「母の提案で昨年はじめて福祉事務所に生活保護の相談に行ったの。今、13万円の生活保護費(住宅扶助と生活扶助)をもらって、5万5千円のアパートに住んでる。食費がかかるのよね」

 ヘルパーは「生保をもらってるし頼みづらくて」、摘便(肛門から便を指で掻き出すこと)も自分でする。

「この先が不安。でもヤマ(山谷)に来ると仲間がいて、ほっとするんだ」

 13年前、この地区でホームレスの在宅ホスピスケア施設「きぼうのいえ」を設立した山本雅基さんは言う。

「ドヤ街はいま、過渡期にきています。戦後の高度成長期に金の卵として地方から来て日本の底を支えた労働者が高齢化し、もう働けないがドヤで暮らす。そんな方々が亡くなり始め、入れ替わるように新たな世代の人が入ってきています」

 とくに2008年以降は、リーマンショックなどで失業した40~50代の人がこの地に多く移ったという。

「女性のホームレスも増えたし、山谷は日本の未来の縮図です。皆が老い、貧しさ、心細さと闘いながらつながっている」(山本さん)

 経済協力開発機構の調べ(12年)によれば、日本の全世帯のうち、約16.1%が相対的貧困(所得の中央値の半分に満たない状態)にある。とくに高齢者の相対的貧困率は一般世帯よりも高い。内閣府の「男女共同参画白書」(10年版)をみても、65歳以上の相対的貧困率は22%と高め。男女別にみると、高齢単身男性のみの世帯では38.3%、高齢単身女性のみの世帯では52.3%にも及ぶ。高齢者の単身女性の半分以上が貧困下で暮らしていることになる。

週刊朝日 2015年7月3日号より抜粋

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