14日放送の「カズレーザーと学ぶ」(日本テレビ・毎週水曜午後10時)のテーマは「話題本著者に学ぶ SNS悪口異常社会&スマホ脳&AI奪う仕事」だ。3人出演する“専門家”のひとりは「スマホ脳」著者・アンデシュ・ハンセン氏だ。気になる「スマホ脳」に関する過去の記事を振り返る。(「AERA dot.」2024年3月25日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)

MENU 危険を察知する仕組みとしてのストレス 睡眠・運動・仲間がストレス耐性への近道

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 人間の脳は「生き延びるために」ストレスを感じる仕組みになったといいます。現代におけるストレスの役割と対処の仕方について、スウェーデン出身の精神科医で、ベストセラー『スマホ脳』の著者・ アンデシュ・ハンセンさんに伺いました。

危険を察知する仕組みとしてのストレス

 現代は、昔に比べてはるかに安全で快適な社会になってきたにもかかわらず、私たちは日々多くのストレスにさらされています。

 幸福度が高い国というイメージが強いスウェーデンでも、なんと大人の8人に1人が抗うつ薬を飲み、世界保健機関(WHO)の試算では2億8千万人がうつに苦しんでいます。

 文明が進歩しても、なぜ私たちはこれほどストレスを感じるのでしょうか。ベストセラー『スマホ脳』の著者でスウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセンさんは、次のように話します。

「人類の誕生は今からおよそ25万年前。その長い歴史のほとんどを狩猟採集生活で過ごしてきました。そこで最も重要だったのは病気やけが、飢饉や自然災害から『生き延びること』だったのです」

 生き延びるためには、不安や心配=ストレスによって、危険を察知しなくてはなりません。そのような脳の「防御メカニズム」を携えながら進化し、さまざまな病気や災害を潜り抜けてきた人たちの子孫として、今、私たちは存在しているといいます。

「私たちは不安や心配を感じることをネガティブに捉えがちですが、それは人として自然なこと。ストレスを感じてはいけないと思う必要はないのです」

 しかし現代文明は人類の歴史の時間軸ではほんの一瞬。長い時間をかけて進化してきた脳は、デジタルやAIに囲まれた生活環境の急激な変化に対応できていません。それが私たちに新たなストレスを生み出しているのです。ハンセンさんは、子ども時代のストレスについて次のように教えてくれました。

「私は幼いころ、とても心配性な子どもでした。心配ばかりしている自分はどこかおかしいのではと、さらに不安に思うこともありました。しかし脳の仕組みについて学んで、不安やストレスは人間にとって必要な機能だと分かってほっとしたのをよく覚えています」

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