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この記事は、3月10日発売の週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院2015」にも掲載しています。※「手術数でわかるいい病院2015」購入はこちら
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 急性リンパ性白血病を発症し「めざましテレビ」を降板、現在も療養を続けている大塚範一(おおつか・のりかず)さん(66)。NHK同期入局組の池上彰(いけがみ・あきら)さん(64)との対談で、治療中の出来事を語った。

*  *  *

池上:(急性リンパ性白血病の)最初の自覚症状ってのは……。

大塚:なんにもないんだよ。ゴルフ行って疲れたなあって首筋さわったときに、硬いもんが二つ三つ、あれ、これはなんだろうって。ちょっとおかしいなと思って血液検査に行って。それが金曜だったかな。それで次の火曜から入院。あんなかたちで番組やめると思わなかった。17年と7カ月。20年やってやめようと思ってたのに、先にやめざるをえなくなってさ。それがショックだった。

池上:ショックだよな。健康不安などなかったよね。

大塚:いっさいなかった。突然。白血病という病気自体、まるで想像できなかった。ニュースではよく伝えるんだけど。

池上:ドラマだと薄幸の少女が……みたいなさ。おじさんがなるってイメージないよな。

大塚:でも60過ぎたおじさん、けっこう多いね。

池上:入院中にフジテレビの共演者などいろんな人が見舞いに来てくれるわけでしょ。

大塚:静かにしてくださいって、看護師さんに注意されちゃったよ。

池上:フジの女子アナたちが来るわけだから、そりゃ病院が華やぐよね。

大塚:過ぎてみるとあっというまだね。

池上:もう寛解ですって言われたの?

大塚:退院ってことは寛解。前回は半年で再発したけど、今回は臍帯血を移植(注1)してるから。

池上:血液型B型からA型になったって?

大塚:そうそうそう。女の子のA型になって。

池上:B型人間がまじめなA型人間に変わった。

大塚:まじめさは変わんないんだけど(笑)。

池上:途中かなり危機的な状況があったって聞いてるけど。

大塚:本人はそんな感じはしてないんだけどね。移植の前にいろいろな処置をするんだけど、そのとき粘膜をすべてやられて、口中血だらけになって何も食べられなくて。点滴だけで栄養補給するってことはあった。

池上:抗がん剤はすごくつらいっていうよね。

大塚:食欲が落ちたり、食べられなくなったり、そういうことはあったけど、つらいなあ、と思うことはあんまりなかったな。

※注1 白血病などの血液疾患の治療法。冷凍保存してある、母親の胎盤と胎児を結んでいるへその緒(臍帯)に残った微量の血液を移植する。患者と提供者の血液型が異なる場合、提供者の血液型に変わる。

週刊朝日  2015年3月13日号より抜粋