細野豪志氏 (c)朝日新聞社 @@写禁
細野豪志氏 (c)朝日新聞社 @@写禁

「代表選への準備は2年前から進めてきた。態勢は万全。代表になって新しい民主党を創っていく」。1月7日の民主党代表選告示前、意気込みを力強く語った細野豪志氏(43)。代表選のライバルは岡田克也氏(61)だが、勝利の鍵は第三の男、長妻昭氏(54)が握っている。

 今回の代表選では1回目の投票で過半数をとる候補がいなければ、上位2人の決選投票となる。投票は国会議員132人と参院選公認予定者1人のみ。地方議員、党員・サポーターは参加できない。

 下馬評では細野、岡田両氏が拮抗し、決選投票になると言われている。1回目で脱落する可能性が高い長妻陣営の票を、細野、岡田各陣営がどれだけ取り込むかが勝敗のカギとなるのだ。

 長妻氏の推薦人は赤松広隆前衆院副議長や篠原孝元農水副大臣ら25人。長妻陣営の幹部は「仮に決選投票となった場合、大半が岡田氏に流れる」と指摘する。

「細野氏は当選6回とはいえ、まだ43歳。仮にトップになっても党をまとめられるのか不安です。田中角栄さんは54歳で総理になったけど、2年ちょっとしか続かなかった。中曽根康弘さんは64歳で総理となり、大宰相となった。政治的な経験は必要なんです。細野氏に不安を持ち、消去法で岡田氏を選ぶ議員が多いのではないか」(前出の幹部)

 細野陣営の衆院議員も不安げに話す。

「長妻陣営の親しい議員に『細野さんに協力して』と何度か頼んだけど、断られてしまった。わずか当選4回で原発事故担当相に起用され、当選5回で党幹事長に起用された細野さんへの男の嫉妬も大きいでしょう。ウチの陣営では1回目の投票で過半数をとる作戦に切り替えつつあります」

 かつての女性スキャンダルの記憶も悩ましい。女性アナウンサーとの路上キスが写真週刊誌に掲載されたのは06年9月。細野氏は自身のホームページで「不徳の致すところ。深く反省する」と謝罪し、党政調会長代理などの役職を辞任した。

 8年以上前のこととはいえ、今回の代表選に勝利すれば蒸し返されるのは必至。党内には「ただでさえ低い女性からの政党支持が、より下がるのではないか」「統一地方選に影響が出る」との懸念が広がっている。

週刊朝日 2015年1月23日号より抜粋