争点は、自ら違法な薬物を使用したか否か。弁護側は、ASKAの精液が膣内に残っていたため尿鑑定で陽性反応が出たと主張したが、2日に証人として出廷した科学捜査研究所の研究員は「精液に覚醒剤が排出されたとしても、非常に微量で検出される可能性はない」と反論した。

 元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏は、こう分析する。

「無罪を勝ち取るためには『自分が気づかない間に覚醒剤を入れられた』と説得力を持って詳細に主張することが必須。奇行を赤裸々に語ることで、ASKAがどれだけおかしく、想像を絶することをされた可能性があるという布石を打っているのでしょう」

 一方、ASKAは9月末に妻や息子が出迎える中、千葉の病院を退院。妻に謝罪し息子にも頭を下げ、今は別の薬物更生施設で治療を続けているという。

「しっかり者の栩内被告にASKAが依存し、盗撮や盗聴に怯えていたときにも、和ませてくれた大切な存在だった。感謝の気持ちがあるからこそ、一緒に逮捕され、今も闘っていることを心苦しく感じているようです」(ASKAの知人)

 そんな男心を栩内被告は知る由もない。次回公判でどんな暴露が飛び出すか。

週刊朝日  2014年10月17日号