最大17万円の控除 節税できる賢い保険の入り方 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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最大17万円の控除 節税できる賢い保険の入り方

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 保険にはさまざまな控除制度があり、うまく活用することで大きな節税効果を得ることができる。地震保険と生命保険をあわせると、たとえば所得税だけでも最大17万円が控除されるのだ。

 東日本大震災をきっかけに加入者が急増している地震保険。これに入っていると所得税や住民税が安くなるのをご存じだろうか。「国が宣伝しないのであまり浸透していない」(国税庁関係者)というのが「地震保険料控除」だ。年間の支払額によって、所得税で5万円、住民税で2万5千円までの控除が受けられる。所得が500万円ならば、計7500円が手元に戻ってくる計算だ。来年夏には新規契約の地震保険料の大幅な値上げも予定されている。加入している人は忘れずに控除を受けよう。

 生命保険にも同様に「生命保険料控除」という制度がある。「生命保険に関する全国実態調査」(生命保険文化センター)によると、共済やかんぽを含めた生命保険の世帯加入率は90.5%。つまり、ほとんどの人はこの控除の恩恵を受けられる。生命保険料控除は、新旧2つの制度が混在する。2011年12月31日以前に契約した保険は旧制度、それ以降の保険は新制度が適用となる。

 旧制度には、主に死亡保険が対象になる「一般生命保険料控除」と、貯蓄型保険の「個人年金保険料控除」の2つがある。新制度ではそれに「介護医療保険料控除」というくくりが加わり、控除制度は3つになった。

 旧制度では所得税で最大10万円、住民税で7万円までの控除が受けられる。一方、新制度は所得税控除の上限が12万円になったのだ(住民税は同じ)。控除の上限が2万円増えたのであれば、古い契約は解約したほうがいいのか。保険と節税に詳しいファイナンシャルプランナーの田中香津奈(かつな)氏が解説する。

「新制度だからお得ということではなく、新制度と旧制度の保険を合わせた所得控除額の最大が12万円です。特に死亡保険は古い契約のほうが概して内容的に優れており、お宝保険が多いものです。あわてて契約を解約せず、じっくり見直すことが大切です」

 また、たとえば新制度の「一般生命保険料控除」を例にとると、年間8万円以上はいくら支払っていても、所得が同じなら控除額は同じだ。つまり年に50万円支払っていても控除額は同じなので、年間保険料を8万円にするのが、効果的に控除を活用するカギだ。

 生命保険料控除は実に複雑な制度だが、うまく活用するとどのくらいの節税効果が得られるのか。「所得額によるので一概には言えませんが、最大値で加入した場合、年間に支払った保険料の約1カ月分が返ってくる、と覚えておくといいでしょう」(田中氏)。

 田中氏によると、まず「個人年金保険料控除」を活用するのが重要だという。個人年金保険は、「保険」という名前はついているが、自分で預けたお金を将来受け取るので、仕組みは預貯金とほとんど変わらない。将来の戻り率が確定している分、大きなリターンが期待できないのがデメリットだが、預貯金にはない「節税」というメリットがある。田中氏は言う。

「保険会社が儲かるのは掛け捨ての保険商品なので、貯蓄性が高く利幅が小さい個人年金保険は、積極的には販売していません。しかし新たに個人年金保険に加入し、年間保険料が8万円になるように設計すると、1カ月分の保険料が返ってくるのです」

 注意したいのが、新たに「介護医療保険料控除」の対象となった掛け捨ての医療保険だ。田中氏によると、保険料控除があるからといって飛びつくと、節税どころか損もしかねない。「現在、平均の入院日数はどんどん短くなり、自己負担する医療費も国の制度を使えば月約8万円強で済みます。掛け捨ての医療保険は、そもそも支払う保険料を上回る給付金を受け取れる可能性が極めて低いので、最低限の加入にとどめたほうがよいでしょう」(同)。

 これから医療保険に入るなら、メリットとデメリットを理解したうえで加入し、控除を受けるのが得策だ。

週刊朝日 2013年5月24日号


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