民自両党の党首選が終わり、党役員や閣僚の顔ぶれは一新した。野田佳彦首相がかつて約束した「近いうち解散」はいつ行われるのか。政治評論家の森田実氏(以下、森田)と時事通信社解説委員の田崎史郎氏(以下、田崎)が、その時期と次期衆院選の議席数を予想した。

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森田:衆院選の時期ですが、民主党の野田・興石体制に早期解散の意思はまったく感じられません。内閣不信任案が提出されない限りは、ズルズルと来夏まで引き延ばす可能性もあります。民主党政権はいつまでも野党気質が抜けず、特例公債法案の問題もどこか他人事で、成立しないのは自民党の責任だと言わんばかりです。

田崎:現在の与党の議席数は249と、過半数をやっと超える程度しかありません。いまも五月雨式に離党が続いており、これ以上離党者が出る恐れのあるような政策決定はできません。もうリセットすべき時期にきているというのが私の考えで、11月解散、12月総選挙が望ましいと思います。しかし、組閣を見ても「少しでも政権を延命させたい」という興石東幹事長の意向が色濃く反映されています。ここまで主導権を握られてしまった野田首相が解散を決断できるかというと、不安になります。

森田:さて、議席予測ですが、今の右傾化ムードが続く中で衆院選に突入すれば、民主党は86議席と3ケタに届かず、自民党は234議席に倍増すると見ています。31議席の公明党と合わせると265議席となり、安定多数を確保するでしょう。維新の会は勢いが若干しぼみつつあって61議席にとどまり、みんなの党は28議席、小沢一郎代表率いる国民の生活が第一は20議席程度になるでしょう。

田崎:私も、自民党の第1党は揺るがず、今の雰囲気のままいけば、200議席を超えてくると思います。民主党は90議席程度、維新の会は70議席弱、公明党とみんなの党はそれぞれ30議席前後、生活は20議席ほどではないかと見ています。

週刊朝日 2012年10月19日号