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気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表。今後、夏の前半にかけてラニーニャ現象が続く可能性が高いと予測しています。

「ラニーニャ現象」夏の前半にかけて続く可能性が高い

気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表しました。

それによりますと、5 月の太平洋赤道域の海洋と大気の状態はラニーニャ現象時の特徴を示しており、昨年秋からラニーニャ現象が続いています。

今後、夏の前半にかけてラニーニャ現象が続く可能性が高く(70 %)、その後、秋にかけてラニーニャ現象が続く可能性もありますが(40 %)、平常の状態になる可能性の方がより高い(60 %)と予測しています。

ラニーニャ現象とは

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「ラニーニャ現象」とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象です。

太平洋赤道域では、貿易風と呼ばれる東風が吹いているため、通常、暖かい海水は西側のインドネシア付近に吹き寄せられる一方、東側の南米沖では、海の深い所から冷たい海水がわき上がっています。ただ、何らかの原因で東風が強まると、西側の暖かい海水が厚く蓄積するとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが強まり、南米沖の海面水温が通常より低くなるのです。

日本への影響は?

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「ラニーニャ現象」は海で起こる現象ですが、発生すると大気にも影響を及ぼし、世界各地で気圧配置などがいつもとは違った状態になるといわれています。雨や雪の降りやすい場所や、風の吹き方、気温などが変わってきます。

「ラニーニャ現象」発生時の日本は、上の図のように7月から9月にかけては、東日本、西日本を中心に平均気温は平年並みか高くなる傾向にあります。

今年の夏どうなる?

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長期予報によりますと、6月の平均気温は、17日頃までは北日本・東日本・西日本では平年並みか低く、梅雨寒の日が多いでしょう。一転して、18日頃からは全国的に平均気温は平年並みか高く、蒸し暑い日が多くなりそうです。また、25日頃からは、東・西日本では、梅雨前線の影響を受けにくく、平年に比べ晴れる日が多くなると予想されています。梅雨明け前から猛暑になる可能性があります。

7月から8月にかけては北日本・東日本・西日本では平年並みか高く、厳しい暑さの日が多くなるでしょう。今年の夏は早い時期から猛暑になる可能性が高く、熱中症にいっそう注意が必要です。

※北日本(北海道・東北)・東日本(北陸・関東・東海)・西日本(近畿~九州)