雰囲気あるでしょ 洞窟フラメンコ! (撮影/谷川賢作)
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雰囲気あるでしょ 洞窟フラメンコ! (撮影/谷川賢作)
ブエノスアイレスからいらしたドクター・カルロスとホテルの朝の食堂にて iTranslateのアホ! (撮影/谷川賢作)
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ブエノスアイレスからいらしたドクター・カルロスとホテルの朝の食堂にて iTranslateのアホ! (撮影/谷川賢作)
リーダーとジャコ(になんとなく似てるすばらしいベーシスト)と私 (撮影/谷川賢作)
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リーダーとジャコ(になんとなく似てるすばらしいベーシスト)と私 (撮影/谷川賢作)
おまけ かわいいトイレマーク 男も女もみんなちと漏れそうなんね あはは (撮影/谷川賢作)
おまけ かわいいトイレマーク 男も女もみんなちと漏れそうなんね あはは (撮影/谷川賢作)

「二股に分かれた道で、下駄を投げて行き先を決めるような旅をしていくと、必ずプレゼントが待っている」(from『アンビエント・ドライヴァー』細野晴臣・著 ちくま文庫)

 細野さんありがとうございます。これほんとですね! 旅には気持ちの余裕が大切。確かにこのところ「計画行動」好きになってきた私ですが、行き当たりばったりの楽しみも忘れてはいません。前回は「牛」と出会った話しですが、今回は人との出会いを。

 マドリードから電車とバスを乗り継いでグラナダに入ったのは昼過ぎ。「アルハンブラ~! アダブカタブラ~」などと大騒ぎしない我々。ここでもまずは昼食を街のバルでゆっくりとってから、シエスタ。郷に入っては郷に従うべし。スペイン万歳! まあ老夫婦(予備軍)だからこその余裕でしょうか、体力ないし、昼の日射しは鋭いし。でもしっかり夜のフラメンコの予約だけはしておく。

 涼しくなるのは夜19時くらい。でもまだ明るい。さて、フラメンコにしゅっぱ~つ!と思いきや、まずはアルハンブラ宮殿の夜景を見に行きます。美しい夜景をしばし堪能して、いよいよグレナダ名物「洞窟フラメンコ」。そう。宮殿の対岸のエリアには「タブラオ」と呼ばれるフラメンコステージのある洞窟がいくつもある。さりげない入口の、飾らない会場。もっと大きな店を想像していたのだが、キャパ100人くらいのステージだからこその迫力に期待が高まる。

 はい、いきなり本場のフラメンコの感想。「世界はおばちゃんたちで回っている」以上。はあ? でも、皆さんもきっとそう感じますよ。確かに、男の歌い手、踊り手、ギタリスタは細身でスラッとカッチョイイ奴が多い。が、この大阪のおばちゃん達も真っ青の「人生の酸いも甘いも噛み分けた、あたしゃあ、ちったあそっとのことじゃ動じないよ。ドーン!」なんとも貫禄ある下半身ずっしり体形「カンタオーラ(歌い手)」と「バイラオーラ(踊り手)」の皆様。歌なんてピッチが「あれ? シャープしてんちゃう? こぶし効き過ぎやで」踊りも「なにかちょっと動きが重いんちゃう? 腰のキレがどうなん?」かすかにそんなことが脳裏をよぎりますが、おばちゃんのいぶし銀のど迫力の歌と踊りを目の前にすると、なぜか「なに言うてんねん、おっさん。こら!」「ああ。私がわるうございました。ごめんなさい」の気持ちになってしまう。ああ、おばちゃんに「オレ!」「グアパ(いい女!)」と掛け声かけてみたかったなあ。でもタイミングはずしたら睨まれそうでコワイ。。。

 話はとんで翌朝の食堂。昨夜一緒にフラメンコに行った、スペイン人家族とおぼしき3人組にまた出会ったので「やあやあ」と気軽に声をかけてみたのですが、ここで教訓1「世界のほとんどすべての人が片言の英語を話せると思ったら大間違い!」。はい。お三方ともホントに見事に英語一言もだめ。ちょっとビビったのですが、そこで取り出したるiPhone様。「iTranslate」アプリ意外と役にたつよ、の情報があり、さっそくこやつを使ってコミュニケーションをとってみる。「私は日本人」「私たちはアルゼンチンから来た」「おおっ! タンゴはすばらしい。ミュージシャンです」「私は医者」。ここらへんまではよかったのですが、それからがもう迷路に突入「今、尿路を旅しています」「??」「細菌学をケアする大事さとても」「、、、汗」。一所懸命スペイン語でフォローしてくれるのですが、まったく聞き取れず、iPhoneのキーボードが小さいのとスペイン語モードではなかったのと、「ムイビエン」と「ポルファボール」だけの私では無理がありすぎ。最後は笑顔で私のCDを渡し(いつでも持ってます!)「アルゼンチンに行きたい。行くよ!」で別れたのですが、もうちょっと「会話」したかったなあ。それに機械に頼るのは限界あるなあ。

 も一つ楽しい偶然の出会いは、街中をヘトヘトに歩いたあとに立ち寄ったバルの店先で、突然ラテンバンドが「ストリート」をはじめたこと。これがもうゴキゲンなバンド!「Elsa Bhor」というバンドでFBにもいます。(https://www.facebook.com/elsabhoracanela/?fref=ts

 昼酒もあり、すっかり盛り上がった私はリーダーとおぼしき男とすっかり意気投合。幸い彼は片言の英語が話せるし「あなたたち最高! この街にきて一番感動したのはこのバンドの音楽に出会ったことだ」と思わず力みまくる私。で、なぜかベーシストがジャコ・パストリアスの面影があるので「失礼だけど、あなたジャコに似てるって言われるでしょ? ラテンのジャコだね」とわけもわからず興奮しまくる私に、リーダーとジャコは苦笑。

 いやあ旅先の偶然の出会いはおもしろいなあ。で、要所要所で、やはり人とのコミュニケーションがいかに大事かがわかる。ホテルのフロントのお姉さん、タクシーの運ちゃん、バルのおじちゃんetc…。

 教訓2「いつでもどこでも緊張しつつもにこやかに。人との出会いがあったら迷わず飛び込むべし!」 [次回7/4(月)更新予定]