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Nissim Otmazgin

Nissim Otmazgin

〇Nissim Otmazgin(ニシム・オトマズキン)/国立ヘブライ大学教授。トルーマン研究所所長を経て、同大学人文学部長。1996年、東洋言語学院(東京都)にて言語文化学を学ぶ。2000年ヘブライ大学にて政治学および東アジア地域学を修了。2007年、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了、博士号を取得。同年10月、アジア地域の社会文化に関する優秀な論文に贈られる第6回井植記念「アジア太平洋研究賞」を受賞。2012年、エルサレム・ヘブライ大学学長賞を受賞。研究分野は「日本政治と外交関係」「アジアにおける日本の文化外交」など。京都をこよなく愛している。
金閣寺を60回訪れたイスラエル人教授の“ニッポン学”
イスラエルは人口の約半分が外国生まれ モロッコとイスラエルの国交正常化を考える
イスラエルは人口の約半分が外国生まれ モロッコとイスラエルの国交正常化を考える 私はイスラエル生まれのイスラエル育ちですが、私の両親は2人とも3600万人が暮らす北アフリカのモロッコ出身です。父はモロッコ南西部の港町エッサウィラのユダヤ人家庭に生まれ、1948年、14歳のときに単身でイスラエルに移民として来ました。父の家族は当初、モロッコに残っていましたが、8年後に合流します。母は砂漠の町マラケシュで生まれ、1956年、家族と共に12歳のときにイスラエルに移住しました。二人はイスラエル南部の小さな町ディモナで出会い、結婚しました。
聖地エルサレムに日本の建築がつくられている理由
聖地エルサレムに日本の建築がつくられている理由 イスラエル・エルサレムの新市街と旧市街をつなぐあたりに、白い立派なロシア正教の聖三位一体大聖堂(ホーリートリニティ大聖堂)があります。最近このあたりを歩いていると、巨大な複合施設が新しく建設されていることに気づきます。 2022年に完成予定の、イスラエルを代表する芸術とデザインの教育機関「ベツァレル芸術デザイン学校」の新しいキャンパスです。実はこの建築物には、日本とイスラエルとの密かな関係があります。その関係とは、この建物は東京を拠点とする建築事務所「SANAA」によって設計されているのです。
ナゴルノ紛争の当事国、アルメニアはどんな国? アルメニア人とユダヤ人の共通点
ナゴルノ紛争の当事国、アルメニアはどんな国? アルメニア人とユダヤ人の共通点 イスラエルの古都エルサレムの旧市街は、大きな石塀に囲まれた細い路地が入り組み、迷路のようです。日中でも薄暗い路地を歩いていると美しい陶磁器タイルで彩られたアルメニア人の店が目に入ります。アルメニア陶磁器タイルは、エルサレムのトレードマークとしてとても有名です。1919年、イスラム教の聖地である「岩のドーム」と呼ばれるモスクの修復のために、アルメニア人の職人が来て、モスクを美しく改装しました。今でも黄金のドームと壁面などにあるタイルが美しい対比を見せています。その後職人たちはこの地にとどまり、陶磁器のタイルや食器、タイルを家具にはめ込んだデザイン性のある商品などを制作するようになり、イスラエルの各地で商品が売られています。
「ルールに従わない」イスラエル人と新型コロナ感染の関係
「ルールに従わない」イスラエル人と新型コロナ感染の関係 新型コロナウイルスの感染者数が減らないイスラエルは9月、再び3週間のロックダウン(都市封鎖)に突入しました。これは春に1カ月以上にわたるロックダウンが終了してから2度目です。今回はもちろん「第2波」の影響です。イスラエルでは9月中旬において、毎日約5000人の新たな感染者が出ており、累計では15万人に上ります。イスラエルの人口は約900万人ですよ。日本は人口1億2千万人で累計8万人です。いかにイスラエルが多いかわかるでしょう。
コロナ禍のイスラエルで、デモが激化している
コロナ禍のイスラエルで、デモが激化している この2週間にわたって、イスラエルのエルサレム中心部にある首相公邸の前で、大規模なデモが連日行われています。デモの参加者は、若者や年配者、ひとりの人もいれば家族で参加している人たちもいます。デモの目的は政府のコロナ対策への批判ですが、特にその政策を指揮し、14年間の長きにわたって首相を続けているネタニヤフ氏への反発が大きいのもその理由です。
イスラエルでコロナの状況が安定しても国境を開かない本当の理由
イスラエルでコロナの状況が安定しても国境を開かない本当の理由 2019年5月、イスラエルの航空会社エルアルは、テルアビブから成田に毎週直行便3便を運航させると発表しました。2020年3月に開始する予定だったフライトは、16年越しの交渉のすえに実現しました。多くのイスラエル人は興奮しました。フライトを始めることをエルアルが決めたのは、両国間の観光客の増大でした。2019年にイスラエルに旅行した日本人は約2万人。日本を訪問したイスラエル人は4万人でした。フライト開始に合わせてエルアルは、厳格なユダヤ教徒のために宗教戒律を守った料理「コーシャ」を提供するため、成田空港の中に特別なキッチンを確保するほどの気合の入れようでした。
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