17人が45人に増殖 4500円
私が原作と脚本を担当している舞台「男おいらん」の再演が決まった。昨年上演した際、合計1000人の動員では全く足りず、キャンセル待ちが100人以上出てしまったため、今回の再演では思い切って3000人の集客を見込んで会場をおさえたという。 そして初演では17人だった俳優さんが、再演ではトリプルキャストとなり、総勢45人となった。顔合わせ会場の会議室で机にズラリと並んだ彼らは圧巻だった。何しろ全員が若い俳優さんなのだ。前列のスタッフ席にいた私は、もうどこを見ていいのかわからず、一番遠くの壁を見つめながら挨拶をしてしまった。 オーディションで選ばれた彼らは、見目麗しい俳優さんたちである。普段ひとりで街を歩いていれば女の子達が振り返るであろう人達だけれど、これだけの人数が集まると、顔ではない別のポイントでチェックせざるをえない。 顔合わせの後行われた懇親会では、気がきく役者さんが私のお皿に料理を取り分けてくれたり、ドリンクを持ってきてくれたり優しく接してくれて、幸せだった。でも私が一番嬉しかったのは、彼らが舞台への熱意を表に出してくれた瞬間だった。 ある役者は、相手役の役者と親しくなろうと努力し、帰り道も一緒に駅に向かっていった。またある役者はひとりひとりのメンバーだけでなく、スタッフにまで挨拶をして回っていた。 舞台を盛り上げようと自分なりに工夫をしている人を見ると、ひどくありがたく嬉しく感じてしまう。もはや顔は全員カッコいいので差がつかないから、仕事に前向きな人にときめいてしまうのか、舞台の成功のために頭がいっぱいだからなのか、それは私にもよくわからない。 ただ、何人もの役者さんが私が考えた男おいらんの世界を表現したいとこうして集まってくれたのが嬉しくてならない。彼らの熱気にむせそうになりながら、今度の舞台も素晴らしいものになりそうな予感に酔っている。 舞台「男おいらん」は、8月22日から9月1日まで笹塚ファクトリーにて上演予定。前売りチケットは4500円ですが、それ以上の感動をお届けできるだろうと確信してるので、お時間のある方、いらしていただけたらうれしいです。
5/20