BOOKSTAND

誰よりもニュージーランドを愛する4人が新しい視点で作ったガイドブック
誰よりもニュージーランドを愛する4人が新しい視点で作ったガイドブック
皆さんはニュージーランドという国についてどのぐらいご存じでしょうか? 「南太平洋に浮かぶ島国。自然豊かで、羊がたくさんいる」という知識程度の人も多いかもしれません。  実はニュージーランドは現在、世界の先進国から「未来の国」と呼ばれ、注目を集めているそうです。それはなぜか。  「ラブリーで優しい人々」「グリーンで持続可能なライフスタイル」「ヒップでクリエイティブな文化」「生活に根付いたオーガニック」「弱者に寛容で、リベラルな社会」「自由でイノベーティブな風土」といった特長を持ち、豊かな自然だけではなく、その「在り方」においても美しく、未来的だとされているからだといいます。  これまであまり明らかにされてこなかった、こうした新たな魅力を伝えているのが本書『LOVELY GREEN NEW ZEALAND』。ニュージーランド在住の執筆家の四角大輔さんを筆頭に、「NZdaisuki.com」代表の野澤哲夫さん、「日刊ニュージーランドライフ」主宰の長田雅史さん、ニュージーランド写真家として活動する富松卓哉さんという、誰よりもニュージーランドを愛する4人が著者として名前を連ねています。  四角さんは「最新のニュージーランドを自分たちで取材し、本気でいいと思うものだけを紹介する」という思いのもと、クラウドファンディングを実行。結果、支援者614人、支援額366万(目標比300%超え)が集まり、2か月にわたる取材を敢行することができたそう。191の飲食店、52の宿泊施設、68のオーガニック関連施設、39のワイナリーを訪問した中から厳選に厳選を重ね、最強のガイドブックとして誕生したのが本書。ここには、彼らが心からおすすめできるコンテンツだけがギュッと詰まっています。  中を見てみると、グルメ、自然、アクティビティ、ショップなど行ってみたくなるスポットがどのページにもあってワクワク。写真が美しくて興味をそそられるのもありますが、「ニュージーランドの良さを新しい視点で伝えたい!」という熱意が端々から感じられるのも大きいのではないかと思います。  たとえば「自然豊か」というイメージのあるニュージーランドですが、「オーガニック」というワードがすぐに思い浮かぶ人は少ないのでは。けれど、ファーマーズ・マーケットにオーガニック専門店、ハチミツや卵の無人販売所「オネストボックス」などが多いこの国で、オーガニック生活はごく当たり前のことなのだそう。こうした現地の人々の生活に根ざした情報がたくさん盛り込まれているのも、ただのガイドブックに終わらない本書の魅力。「島国、自然が豊富、羊」といった固まったイメージをくつがえすような、知られざるニュージーランドの姿が見えてきます。  「ラブリー」とは日本語で「かわいい」という意味でとらえることが多いですが、ニュージーランドでは「いいね」「楽しいね」「すてきだね」とさまざまな意味で使われるのだとか。そして、「グリーン」は豊かな自然だけでなく、ナチュラル志向が強いニュージーランド人の暮らし方、ライフスタイルを表すことも。まさにタイトルにもなっている「ラブリー グリーン ニュージーランド」そのままの国といえそう。本書ではニュージーランドは「北欧」のセンスと「ハワイ」の大自然のエナジーをあわせ持ったハイブリッド国家だと評されていますが、皆さんも読めばきっとその理由がわかることでしょう。
BOOKSTAND 11/1
伝説のプロ投資家が教える「お金に振り回されない生き方」とは?
伝説のプロ投資家が教える「お金に振り回されない生き方」とは?
投資家・村上世彰(むらかみ・よしあき)氏。ニッポン放送株取得に端を発した、2005年のフジテレビ買収騒動では、ライブドアの堀江貴文氏とともに渦中の人となり、「ヒルズ族」「TOB(株式公開買い付け)」「モノ言う株主」と言った言葉がメディアを賑わせましたが、村上氏の記者会見での発言の数々、言動をご記憶の方も多いでしょう。  旧・通商産業省(現・経済産業省)の官僚を経て独立し、当時運営していた「投資会社M&Aコンサルティング」いわゆる"村上ファンド"は、運用資産額はおよそ5000億円にも上ったと言われています。  2006年、ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引容疑で逮捕、有罪判決。以降はシンガポールに移住し、メディア露出を控えていた村上氏ですが、その約10年間の出来事―-ボランティア活動に取り組み東日本大震災の際に炊き出しに行ったこと、社会貢献をミッションに村上財団を設立したこと―-などは、昨年2017年出版の自著『生涯投資家』(文藝春秋刊)に詳しく描かれています。  『生涯投資家』に寄せられた反響から、日本各地の中学生・高校生を対象に「お金の授業」と称した講演会を実施し、その反応を踏まえて、日本の子どもたちへのメッセージをまとめたのが、新著『いま君に伝えたいお金の話』。  村上氏によれば、日本の教育現場ではいまだに「子どもはお金のことなんて考えなくていい」「お金=悪いもの」(同書より)といった考えが主流なため、金融教育を受ける機会がないまま社会に巣立ってしまう若者がほとんどであり、早い段階でお金に向き合うことが大事だと訴えています。  同書では、タンス預金が多い家計や、多額の内部留保を抱える日本の企業など、必要以上にお金を貯め込む日本社会を人間の身体にたとえ、貯め込んでしまうと血液の流れが止まり、健康でなくなってしまう、血液=お金を循環させることが、日本の経済循環を促すと力説。  また、同書の中では、近年社会問題化している奨学金問題にも言及。  「せっかく将来のために教育ローンを利用して勉強したのに、そのローン返済のために自分の将来を、場合によっては自分の親の生活まで破壊してしまうということがある。そういう現実も知っておいてください」(同書より)  と、貸与型の奨学金が借金であることを説明し、奨学金を返せずに過去5年間で1万5000人も自己破産していることに触れ、進学目的とはいえ安易な借金には警鐘を鳴らしています。  「僕はお金によって、幸せを得た人もたくさん知っていますが、人生が狂ってしまった人、お金持ちだったのに使い方を間違えて自分も周りも傷だらけになってしまった人、立ち直れないほどのダメージを受けてしまった人も、たくさん知っています」(同書より)  「人から借りたお金は簡単に『凶器』となりえるということ。これは、忘れないでください」(同書より)  など、お金を使うリスクについても論及。"お金のプロ"を自認する村上氏が、"貯金魔"だった幼少時代のエピソードをはじめ、読みやすい言葉で綴った同書は、子どもだけでなく、現役ビジネスパーソンにも読みごたえ充分な内容となっています。
BOOKSTAND 10/29
大災害のときどうする? 危機管理のプロ・自衛隊のノウハウを大公開
大災害のときどうする? 危機管理のプロ・自衛隊のノウハウを大公開
6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、8月に阪神地方を襲った台風、9月の北海道胆振東部地震など自然災害が相次いでいる2018年。被害を受ける様子をテレビで見るにつけ、防災意識の大切さについてあらためて強く感じた方も多いのではないでしょうか?  地震、台風、大雨、崖崩れ......いつどこで遭遇するかわからないさまざまな大災害への備えについて、自衛隊が持つテクニックやアイデアについて紹介している本が『自衛隊防災BOOK』です。  考えてみれば、自衛隊はいざというときに私たちを助けてくれる"危機管理のプロフェッショナル"。人命救助に始まり、食料の確保や給水、緊急措置など災害時のトラブル対処法を熟知しているだけに、彼らからそのライフハックを学ぶというのは理にかなっているといえるでしょう。  本書に掲載されているのは、自衛隊直伝の誰でも実践できる100の防災テクニック。まずは「日頃の備え」から。「自宅の家具配置を見直す」「自宅の周りの避難場所を知っておく!」「初期消化の基本を身につける」などの項目から日々の暮らしの見直しをすることができます。  続いて「災害時に役立つライフハック」としてCHAPTER1【発災時編】では、「料理中だったら」「オフィスにいたら」「電車に乗っていたら」といったシチュエーション別に初動対応についてが書かれています。  そして、もし実際に災害や事故の被害に遭ってしまったら。CHAPTER2では【被災時編】として「シャツを浮き輪代わりにする方法」「ブルーシートと新聞紙を寝袋にする方法」「ツナ缶・バターをローソク代わりにする方法」といった身近なものの活用法から、「暗い夜の山で道を探す方法」「寒さから自衛する方法」といった被災時の対処法などまで詳しくページが割かれています。  CHAPTER3では「日常生活に役立つライフハック」として、災害時よりは緊急度は低いものの、日常でトラブルに遭遇したときに役立つさまざまなことを紹介。「ハチに刺されたときの対処法」「缶切りなしで缶詰を開ける方法」「定規なしで長さを測る方法」「正しいロープの結び方」など、知っていればより日常生活が便利に、快適になること請け合いです。  はじめに「今年立て続けに起きている災害のニュースを見て、被災時の備えの大切さを再認識した人も多いのでは?」と書きましたが、災害や事故が起きた直後に私たちの防災意識が高まるのは当然のこと。けれど、月日がたつとどうしても危機感が薄れてしまうことも......。そして実際に被災したときに、慌てふためいてしまうケースも多いかと思います。  それを避けるためには、本書を身近な場所に置いて、ときどき読み返してはいかがでしょうか。万が一のことが起きたとき、この中にあるライフハックの一つでも思い出し実践できたら、最悪の事態をまぬがれることもじゅうぶんにありえます。本書を手に入れて読んでみる。それ自体があなたや、あなたの大切な人を守るひとつの大きな備えとなるかもしれません。
BOOKSTAND 10/24
サマセット・モーム著『かみそりの刃』は自分探しをする人にオススメ------アノヒトの読書遍歴:ロバート・ハリスさん(後編)
サマセット・モーム著『かみそりの刃』は自分探しをする人にオススメ------アノヒトの読書遍歴:ロバート・ハリスさん(後編)
作家、ラジオ・ナビゲーターとして活躍するロバート・ハリスさん。これまでに15冊以上の著作がありますが、2018年9月に自身初の長編小説『JJ 横浜ダイアリーズ』を出版しました。本はじっくり読みたい派というハリスさんに、前回に引き続き日頃の読書生活についてお話を伺いました。
BOOKSTAND 10/22
島本理生さんの『ファースト・ラブ』はセラピーの観点からみても興味深い一冊------アノヒトの読書遍歴:ロバート・ハリスさん(前編)
島本理生さんの『ファースト・ラブ』はセラピーの観点からみても興味深い一冊------アノヒトの読書遍歴:ロバート・ハリスさん(前編)
自叙伝や旅をテーマにした著書を多く執筆する作家のロバート・ハリスさん。大学卒業後の東南アジア放浪を経て、1988年までオーストラリアに16年間滞在し、シドニーでは書店兼画廊「エグザイルス」を経営していました。また、テレビ番組や映画などでも活躍し、帰国後、92年からはJ-WAVEのナビゲーターも担当。現在は作家としても活躍中で、著書に『エグザイルス』『ワイルドサイドを歩け』『黒く塗れ!』『人生100のリスト』『アフォリズム』などがあります。2018年9月には自身初の長編小説となる『JJ 横浜ダイアリーズ』を出版したハリスさん。今回はそんなハリスさんの日頃の読書生活についてお話を伺いました。
BOOKSTAND 10/18
知らないと絶対損する旬ワード「IoT」 身近な事例から知るその実力
知らないと絶対損する旬ワード「IoT」 身近な事例から知るその実力
「IoT」という言葉をご存じでしょうか? 「Internet of Things」の頭文字を取った単語で、あらゆるモノがインターネットに接続する仕組みのこと。あまりピンと来ない人もいるかもしれませんが、実はその需要は着実に拡大しています。  IT専門調査会社IDC Japanが今年9月に発表した市場予測によると、国内のIoT市場規模は、2017年の支出額5兆8160億円から、年間平均15.0%で成長を続け、2022年には支出額11兆7010億円になる見込み。  神崎洋治氏著による本書『図解入門 最新IoTがよ~くわかる本』では、そんな旬なワードであるIoTについて、企業の事例を交えながらわかりやすく紹介しています。  まず、IoTが何かを知るうえで、ポイントとなるというのがソフトバンクの事例。東京本社の男子トイレで導入されたスマホでトイレの空き状況がわかる「IoTトイレ」です。センサーによって、満室の際は隣接した上下階のトイレの空き状況を確認できるというもの。待ち時間や空室を探す時間が減ったと約60%の人が感じる成果をあげました。  本書によると、この事例からわかるようにIoTは「センサーが得たデータから得た情報を可視化したり、収集したデータを瞬時に活用する」という点が大きな特長だといいます。  より私たちの身近なところでは、家庭用のIoTが注目を集めています。これまで「その場」でしかできなかったことを「遠隔」で可能にするIoTのメリットがよく現れているといいます。  例えば、家電にネットを接続して音声操作できる「Amazon Echo」などのスマートスピーカーをはじめ、それらと連携して外出先からネットに対応しないエアコンなどの家電を、スマホで操作できるスマートリモコンも反響を呼んでいます。すでに使用している人も多いのではないでしょうか。  これらを連携し家全体に拡大させたスマートホームも浸透しつつあります。最近では、ソニーの「MANOMA(マノマ)」が好例。AIアシスタント「Amazon Alexa」対応の「AIホームゲートウェイ」をはじめ、家族全員の外出を検知して自動的に撮影・録画が開始される見守りカメラ、専用アプリを通じて遠隔で鍵を解施錠できるスマートロックなどと連携。不在時は室内をスマホで確認でき、異常を検知すれば通知される防犯対策、さらにスマートロックの特性を生かした不在時でも家事代行などを受けられる試みにまで発展を見せています。  こうしたIoTがもたらす自動化や効率化は、実は私たちが頻繁に利用する交通の安全を守るスマートメンテナンスとして、生かされていることも知っておくべきでしょう。  JR東日本の山手線「E235系」に搭載された状態基準保全(CBM)がその最たる例。従来の検査方式では、定期的な検査で突発的な故障に対応できませんでしたが、CBMで継続的にIoTセンサーに情報が蓄積され、事故の予兆を把握し「究極の安全」の実現が高まると期待されているといいます。今後、山手線はこの新型車両に置き換わっていく予定です。  IoTは単なるブームではなく、AIと同じように社会変革をもたらす存在。この波に乗り遅れないためにも、IoTの基礎を本書で押さえてはいかがでしょうか。そうすれば、日々更新される最新情報も理解でき、その恩恵を存分に享受できるはずです。
BOOKSTAND 10/16
女優でありエッセイの名手 酒井若菜が描いた珠玉の随筆33編が一冊に
女優でありエッセイの名手 酒井若菜が描いた珠玉の随筆33編が一冊に
テレビドラマ『木更津キャッツアイ』や『透明なゆりかご』、映画『恋の門』など数多くの作品に出演し、存在感を示してきた女優、酒井若菜さん。いっぽうでは文章力の高さにも定評があり、これまでに小説やエッセイ集を出版したり、2017年からは有料メールマガジン「marble」で編集長を務めたりといった活動も精力的におこなっています。  そんなエッセイスト、作家としての顔も併せ持つ彼女が、10月3日、新著『うたかたのエッセイ集』を発売。「水道橋博士のメルマ旬報」(2013~2017)、「marble」(2017~2018)に執筆した100本以上のエッセイから厳選した珠玉の33編が、この一冊にまとめられています。  内容は出演作の話から、芸歴、夢、家族や祖父・祖母との思い出、エンターテインメントのこと、仕事観、身の回りで起こった出来事まで実にさまざま。ときに感動的に、ときにユーモアを交えながら、彼女ならではの感性と筆致で綴られており、名うてのエッセイストぶりが存分にうかがえます。 「誰かの中で生きている。つくづく、しみじみ、美しい」という帯に書かれた言葉の意味を、ぜひ彼女のエッセイから見つけとってみてください。
BOOKSTAND 10/15
現代の若者の生態を知るには... 意外な写真が役に立つ!?
現代の若者の生態を知るには... 意外な写真が役に立つ!?
これからの日本を背負って立つ若者たち。彼らはどんな環境で育ち、どんなふうに生活し、何を考えているのでしょう。  食卓写真を通じて、現代社会に生きる若者の実像に迫った本書は、早稲田大学人間科学学術院の外山紀子教授と大正大学心理社会学部の長谷川智子教授、専修大学経営学部の佐藤浩一郎准教授の3人の研究者によって編集されました。  「日本の食をとりまく環境は、近年、大きく変化した。(中略)食の変貌は、食の外部化や簡便化に加え、核家族化の進行、女性の高学歴化と社会進出、さらには長時間勤務の常態化と言った社会の大きな変化の中に位置づけるべき現象である。最近では、格差という視点も外せなくなった。(中略)食は食べ手とその食べ手が属する社会、時代を映す鏡となるのである」(本書「まえがき」より)  若者たちのSNSにアップされる"インスタ映え"する食べ物と現実の落差、彼らが幼い頃から社会問題化していた孤食の実態など、本書が描き出すのはさまざまな若者たちの生活と意識です。ここでは青年期に育まれる自意識やパーソナリティにさえ、食行動が深く関わっていることが指摘されています。  また、"飽食"を当然のこととして育ってきた若者たちが知らないのは、季節感やハレ(非日常)とケ(日常)のメリハリが生み出す喜びばかりではないようです。飢餓感を経験したことのない彼らは、"我慢"や"耐える"ことについての学習の機会が少ないことや、食物に命を感じる"生命感"についての実感が少ないこと、雑食性の動物として食物を選択する能力さえも必要なくなって、"本能"が失われがちなことなど、人間の本質にかかわる部分での変化さえあるといいます。  「若い人たちの思考や行動は理解できない」と困惑しているなら、若者を理解する参考書になるかも知れません。大学の先生たちが協力して作り上げた本だけあって、論理的で説得力に溢れた読み応えのある一冊です。
BOOKSTAND 10/11
東大生のバッグには、本が2冊以上入っている!? 現役東大生が実践する読書法とは?
東大生のバッグには、本が2冊以上入っている!? 現役東大生が実践する読書法とは?
日本の大学の頂点に位置する、東京大学。最近でも「東大」を冠したテレビ番組が多数放映されているほか、我が子を東大に合格させた母親による手記や現役東大生の著書も相次いで刊行され、出版界においては、もはや"東大本"というジャンルが確立されつつあるようです。  今回ご紹介する書籍『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』の著者、西岡壱誠さんも、そんな現役東大生作家の1人。  これまでにも『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』(ダイヤモンド社)や、『東大式習慣「ゲーム化」でラクラク身につく<最強の効率術>』(扶桑社刊)など書籍も多数執筆している西岡さんが本書で提唱するのが、同時進行で2冊以上の本を読むこと。  1冊の本をじっくり読み終えてから次の本を読むよりも、同時進行で同じ分野の本を2冊以上読む方が、大きな効果が得られると言います。本書ではこの読み方を"検証読み"と定義し、1つの考えに偏ることなく、主体的かつ多面的な思考力を養うために有効だと述べています。  また、西岡さんによれば、東大生は、読書をインプットで終わらせるのではなく、感想を語り合うアウトプットが大好き。いわゆる合コンや飲み会ですら、本の感想の言い合いの場となることがしばしばあるそうです。  「僕が2年間東大で生活していて、いちばん東大生同士で盛り上がった話は「『源氏物語』でいちばん素晴らしいヒロインは誰か」という議論でした」(本書より)  気になるその結果ですが、「紫上」のような誰もが思いつくようなメインキャラクターではなく、地味だが面倒見のよい性格の女性として描かれる「花散里(はなちるさと)」という結論で一致したのだとか。  現役東大生が自ら実践する読書法を明かした本書、受験生や受験生の保護者のみならず、現役ビジネスパーソンにも役立つノウハウ満載の1冊と言えるでしょう。
BOOKSTAND 10/9
わが子が個性を発揮して幸せな人生を送るために親ができること
わが子が個性を発揮して幸せな人生を送るために親ができること
生れたばかりの赤ちゃんを抱いたパパ、ママの顔は喜びに輝いています。「元気で生まれてきてくれて、ありがとう」と感謝して、幸せな人生を歩んで欲しいと心から祈ったことでしょう。  でも、子育てが始まると思い通りにならないことばかり。つい感情的になって叱ってしまい、涙の跡が残る幼い寝顔に「ごめんね」と声をかけることはありませんか?  「子どもがしあわせなら......それだけで みんな、しあわせ」(本書より)  慶應義塾大学医学部小児科の高橋孝雄教授による本書『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』は、こんな言葉で始まります。  小児科医として36年間、病気と闘うさまざまな年齢の子どもたちと向き合ってきた高橋先生による"育児書"は、先生の人柄がにじみでるやさしい視線でまとめられたシンプルな文章で、育児に悩むおとうさん、おかあさんの心にすっと響いてくる分かりやすい内容も秀逸です。  胎教、早期教育、食育などなど。巷にあふれる情報は、育児をがんばる現代の親たちを悩ませています。働くおかあさんは忙しくてかまってあげられないと罪悪感にさいなまれ、"理想の親"になれない自分の姿に自信を無くしている人もいるようです。  そんな親たちに対して、「『理想の母』を追い求めないで。子どもが好きなのは、いまのおかあさん。」(本書より)と先生は言い、親が子どもを気づかう愛情は必ず子どもに伝わることを教えてくれます。  子どもの個性や能力は親から受け継いるけれど、環境や努力によって変えられることがある一方、絶対に変わらないこともあるそうです。でも両親からもらった遺伝子に守られて、子どもは育つそう。小さく生まれても、たとえ病気や障害があったとしても「生れてきてくれただけで『合格』なのです」と高橋先生。  人間が幸せに生きて行くために必要な能力を「共感力」、「意思決定力」、「自己肯定感」とし、その能力を育むために親はどうあるべきかについても、具体的なアドバイスが盛り込まれた本書は、子どもの幸せを願う親が取るべき道を示してくれます。  長く手元に置いて、何度も読み返す、そんな子育てのバイブルになりそうです。
BOOKSTAND 10/4
ガンで余命宣告を受けた35歳の父が、2歳の息子に伝えたい大切なこと
ガンで余命宣告を受けた35歳の父が、2歳の息子に伝えたい大切なこと
私たちが親になったときに誰もが思うこと。それは「子どものために自分は何ができるだろうか?」ということではないでしょうか。そして、もし自分の命がこの先長くないとわかっていたなら、限られた時間の中で何を残すことができるのかと、さらにその気持ちは強まることでしょう。  『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる』は、35歳にしてガン(多発性骨髄腫)で余命3年という宣告を受けた写真家・狩猟家の幡野広志さんが、2歳になった息子さんのために伝え残したいことを書いた一冊です。  ガンの宣告を受けてから、息子に残したいものは何だろうと考えたという幡野さん。それはお金などではなく「言葉」だということに気づきます。「息子自身の役に立つ言葉を残してあげたい。息子が成長していくうえでの、地図のような、コンパスのようなもの。いろいろと迷ったとき、『自分の父親だったらどう解決していたのかな?』と振り返ることができるものを残したいと思った」と記しています。  親であれば、子どもに伝えたいことなんて山ほどある。幡野さんは本書で「優しさについて、僕が息子に伝えたいこと」「孤独と友達について、息子に学んでほしいこと」「夢とお金について、息子に教えておきたいこと」「生と死について、いつか息子と話したいこと」という4つの章にわけて、自分の考えを伝えています。  中でも「優しさ」は幡野さんにとっては、第1章と最初のテーマに持ってくるほどとくに大切に感じているもののよう。優しい人が好きだから優しい人と結婚したという幡野さんは、息子さんにも「優」という名前をつけたといいます。そこには息子への願いが込められていると同時に、「僕たちは、優しい人になります」という幡野さんと奥さんが親になるための誓いでもあったのだとか。人に優しい人間になってもらいたいなら、まずは自分が人に優しくしなくてはいけない。当たり前のことでありながら、言われてみるとハッとさせられるものがありませんか? こうした幡野さんの優しい視点、まなざしはこの一冊を通して満ちあふれています。  このように、本書は「父親が自分の息子に宛てて書く」というとてもパーソナルな内容でありながら、それでいて誰にでも通じる普遍性も併せ持っています。幡野さんが息子に伝えたいこと、自身の状況についてなどブログに書き始め、取材なども受けるようになってから、ツイッターでは見知らぬ多くの人から悩み相談が届くようになったといいます。それに答えることで、息子さんが将来ぶつかる「困りごと」の手がかりが見つかるかもしれないと思い、息子さんに答えるつもりで正直に答えたと幡野さんは言います。そして逆に、「息子のための言葉が、悩みを抱える人にも役立ってくれたらうれしい」と。  だから、本書は息子宛てではあるけれど、多くの悩める人が読んでもたくさんの気づきを得られるものになっているのだと思います。幡野さんのメッセージが詰まった手紙のような一冊。親であること、生と死、優しさ、仕事......皆さんも幡野さんの「言葉」を通して自身を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
BOOKSTAND 10/2
劣等感や嫉妬を燃料に変えてお笑い界を爆走してきた山ちゃんの自伝エッセイ
劣等感や嫉妬を燃料に変えてお笑い界を爆走してきた山ちゃんの自伝エッセイ
今やテレビで見ない日はないと言ってもよい、お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太さん。皆さんは彼に対してどんなイメージを持っていますか? 陰湿そう、姑息、毒舌、キモい、アイドルオタク......いろいろあるかとは思いますが、彼の漫才やテレビ番組でのコメントを見るに、そのボキャブラリーの豊富さについては誰もが満場一致で認めるところではないでしょうか。  あの返しのキレや語彙力は生まれもっての天賦の才に思えますが、けっしてそうではないと本人はいいます。「自分は天才じゃない」と悟った日からの自身のこれまでをさらけ出して記した自伝エッセイが本書『天才はあきらめた』です。  テレビでの姿からもちょいちょいわかることですが、山里さんは自身の負の感情を見せることを厭いません。というわけで、本書でもこれでもかというほど彼のダークな部分が出てきます。  NCS(吉本総合芸能学院)時代に同期のキングコングに感じた圧倒的な敗北感、元相方ふたりに対する理不尽で横暴すぎる言動、他の芸人や業界関係者に対する復讐の言葉を綴った地獄ノート、南海キャンディーズとして人気が出た後のしずちゃんに対する嫉妬や不仲......これらはすべて本書の中で赤裸々に書かれていること。  けれど、こうした部分は誰もが多かれ少なかれ、心の奥底に持っている感情ではないでしょうか。そして、世の中の人々の99.9%は天才ではないという現実。その中で、どうやって私たちは劣等感や挫折感と向き合い、夢を叶えるためのエネルギーへと変えていけばよいのか。本書で山里さんは「天才はあきらめた。だけどその瞬間、醜い感情は一気に自分の味方になった。その感情を燃料に変換させるワザを使うことで、努力というしんどい行動が簡単にできるようになったから」と記しています。本書は自伝エッセイであるいっぽうで、負の感情を燃料へと変える方法を山里さんの生き方を通して教えてくれる実用書でもあるのです。  ......とはいえ、それでもやはり山里さんは天才だという思いが読み終えた後に強く残ります。それは「努力の天才」。「天才はあきらめた」と言って見せつつも、彼がこれまでやってきたことは凡人には到底できないような狂気とも思えるほどの努力。好きなことに対して死ぬほどの努力ができること、そしてそれが結果として身を結ぶこともまた天才の天才たる所以といえるのでは。  2018年7月の発売以来、約2か月で発行部数10万部を突破したという本書。大ヒットの理由は文筆業もこなせる山里さんのマルチな才能があげられますが、その陰には自身でさまざまな書店に飛び込みをして2000冊以上のサインを書いたという地道な営業活動があるのも事実。これを見てもやはり、努力肌の天才の片鱗がうかがえはしないでしょうか。
BOOKSTAND 9/28
この話題を考える
学校現場の大問題

学校現場の大問題

クレーム対応や夜間見回りなど、雑務で疲弊する先生たち。休職や早期退職も増え、現場は常に綱渡り状態です。一方、PTAは過渡期にあり、従来型の活動を行う”保守派”と改革を推進する”改革派”がぶつかることもあるようです。現場での新たな取り組みを取材しました。AERAとAERA dot.の合同企画。AERAでは9月24日発売号(9月30日号)で特集します。

学校の大問題
働く価値観格差

働く価値観格差

職場にはびこる世代間ギャップ。上司世代からすると、なんでもハラスメントになる時代、若手は職場の飲み会なんていやだろうし……と、若者と距離を取りがちですが、実は若手たちは「もっと上司や先輩とコミュニケーションを取りたい」と思っている(!) AERA9月23日号では、コミュニケーション不足が招く誤解の実態と、世代間ギャップを解消するための職場の工夫を取材。「置かれた場所で咲きなさい」という言葉に対する世代間の感じ方の違いも取り上げています。

職場の価値観格差
ロシアから見える世界

ロシアから見える世界

プーチン大統領の出現は世界の様相を一変させた。 ウクライナ侵攻、子どもの拉致と洗脳、核攻撃による脅し…世界の常識を覆し、蛮行を働くロシアの背景には何があるのか。 ロシア国民、ロシア社会はなぜそれを許しているのか。その驚きの内情を解き明かす。

ロシアから見える世界
滝本竜彦さんの『NHKにようこそ!』は、自分に「刺さりまくった」一冊------アノヒトの読書遍歴:コヤマヒデカズさん(後編)
滝本竜彦さんの『NHKにようこそ!』は、自分に「刺さりまくった」一冊------アノヒトの読書遍歴:コヤマヒデカズさん(後編)
ロックバンド「CIVILIAN」でボーカル&ギターを担当するコヤマヒデカズさん。すべて楽曲の作詞・作曲をコヤマさんが手掛けているのですが、実はこれまでに読んだ多くの作品の言葉の使い方や例え方が、歌詞作りにも少からず活かされているといいます。そんなコヤマさんに、前回に引き続いて日頃の読書生活についてお話を伺いました。
BOOKSTAND 9/26
乙一さんの『しあわせは子猫のかたち(失われる物語)』は何度も読み返す一冊------アノヒトの読書遍歴:コヤマヒデカズさん(前編)
乙一さんの『しあわせは子猫のかたち(失われる物語)』は何度も読み返す一冊------アノヒトの読書遍歴:コヤマヒデカズさん(前編)
ロックバンド「CIVILIAN」のボーカル&ギターとして活動するコヤマヒデカズさん。制作する楽曲のすべての作詞、作曲を手掛けます。かつて、専門学校の同級生だった純市さん、有田清幸さんらスリーピースバンドを結成し、2008年から活動を開始。インディーズにして絶大な人気を誇る中、2016年7月にバンド名を現在のCIVILIANに改め、2016年12月発売のシングル「愛/憎」でメジャーデビューを果たしました。今年8月には5thシングル「何度でも」をリリースしたばかりで、今もなお精力的に音楽活動を続けるコヤマさん。今回はそんなコヤマさんに、日頃の読書生活についてお話を伺いました。
BOOKSTAND 9/25
これまでに99.9%の種が絶滅!? 生物たちの「絶滅理由」がいろいろありすぎる!
これまでに99.9%の種が絶滅!? 生物たちの「絶滅理由」がいろいろありすぎる!
地球にはじめて生命が生まれたのは、およそ40億年前。たったひとつの細胞が海の中で偶然生まれたのが、すべての「命」の始まりだったと言われています。けれど、始まりがあれば、必ず終わりもある。命の終わりは「死」であり、その種類の生き物ごとこの世から姿を消すことが「絶滅」です。  これまでに、地球上には強い生き物も賢い生き物もたくさん存在していたといいます。けれど驚くべきことに、その99.9%の種が絶滅しているのだとか。  では、どうして彼らは滅びたのでしょうか? それぞれの理由を知るべく、絶滅した生き物たちに直接、滅びた理由を聞いてみた(というスタイルの)一冊が『わけあって絶滅しました。』です。  読んでみると、一つとして同じ理由のないバラエティに富んだ絶滅原因にはビックリするやら笑ってしまうやら。生き物が絶滅する理由は「1、地球のせい」「2、ほかの生き物のせい」というふたつに分けることができ、圧倒的に多いのは「1、地球のせい」だそうですが、本書にもそうした生き物たちがたくさん出てきます。  たとえば、1844年ごろに絶滅したというオオウミガラス。海にもぐって魚をつかまえていた飛べない鳥だそうですが、人間に簡単に狩られることから北へ北へと逃げ、彼らが最後にたどりついたのはアイスランド島の近くにある島でした。しばらくは平和に暮らしていましたが、近くの海底火山がとつぜん噴火。大地震が起き、島ごと海に沈んでしまったのだとか......。なんという絶滅理由! 「ペンギンのように最初から人の少ない場所に住むべきでした」なんて後悔の弁を述べていますが、そうすれば今ごろは見た目も似ているペンギンのようにみんなの人気者になれていたかもしれません。  また、ワニのようなビジュアルをした「スピノサウルス」。白亜紀中期に絶滅したそうですが、彼らの絶滅原因は「川から出られなくて」。スピノサウルスは最大クラスの肉食恐竜だそうですが、陸上を歩くのは苦手。川や湖で暮らしていたけれど、数が増えたり獲物が少なくなったりしても陸上を歩いて他の川に移動することがむずかしく、そのまま滅びてしまったといいます。体が大きくて強ければいいって問題でもないんですね。  こうして見てみると、彼らが滅びた理由や事情は本当にさまざま! 生き残るのはたいへんなことで、むしろ私たちをふくめ今存在している生き物は奇跡とすら思えます。  けれど、絶滅はどんな生き物にも平等におとずれるものだと本書には書かれています。それに立ち向かうための「武器」として挙げられているのは「学んで考えること」。「いろんな生き物が絶滅したわけを知っておけば、これからの地球で生き残っていく方法を思いつくかもしれません」と説明されています。  実際、今も絶滅が心配されている危惧種は世界中にいます。私たち人間ですらこの先絶滅しない保証はないわけで......。この本をきっかけに、生き物やこの世界のことについて改めて考えてみてはいかがでしょうか。大人が興味を持てるのはもちろんのこと、漢字にはすべてルビが振られているので、小学生ぐらいの子どもも楽しんで読めそうです。
BOOKSTAND 9/20
引きこもりにおたくの偉人!? 日本史のちょっとヤバい(?)裏話
引きこもりにおたくの偉人!? 日本史のちょっとヤバい(?)裏話
「歴史」と聞くと、少し難しそうなイメージを持ってしまいませんか? 易しく、楽しく学べる方法があれば、と思う人も多いでしょう。本郷和人氏著による『東大教授が教える やばい日本史』では、キャッチ-なイラストとともに楽しく日本史について知ることができます。  まずは第1章「ゆかいなとりまきと天皇の時代」。日本初の女性国王である卑弥呼が紹介されています。本書では「クラスのみんなが学級委員長の座をねらってケンカをしているなか、ぬけがけして教育委員会にワイロを送り、一気に校長先生になったようなもの」と、「学校」を例に例えています。実際の卑弥呼は、学校どころか国のトップにまで登り詰めた"やり手"な一面があったようです。  さらに驚くのは卑弥呼が実は引きこもりだったということ。宮殿では人々を導く占いに明け暮れ、その伝達や食事の世話はすべて弟がしていたとか。人前に姿を見せなかった女王ですが、民衆は占いの力を信じていたため統率はとれていたそうです。  次に紹介するのは、本書第3章に登場する千利休です。なんの変哲もない竹や粗末な茶碗をあえて使う茶道を発展させ、「わび茶」を完成させました。そのスタイルがおしゃれだと、織田信長をはじめとする武将のあいだで人気となります。  織田信長の弟・有楽斎(織田長益)も千利休に弟子入り。あるとき有楽斎が千利休とそっくりの茶入れとフタを用意します。しかしそれは、千利休がわざと「ダサい」と思って用意したものでした。本書によると、千利休はそのまま真似をした有楽斎にバッサリと「その茶入れには新しいフタのほうが合うと思いますが......?」と言い放ったとか。美意識が高すぎてちょっと意地悪な一面があったようです。  最後は本書第4章から松尾芭蕉を紹介します。江戸(東京)から尾張(愛知)までを旅しながらたくさんの俳句を詠んだ、日本を代表する歌人です。源氏の武将が好きで、「夏草や 兵(つわもの)共が 夢の跡」という有名な句も源氏のことを詠んでいます。  本書によると、その源氏好きは「おたく」レベルで、俳句を詠む旅の途中に聖地巡礼を組み込むほどだったとか。特に源義仲が一番の「推しメン」だった芭蕉は、死ぬ前に「わしを義仲の墓の隣に埋めてくれ!」と頼んだそう。その願いは叶えられ、おたく冥利に尽きる最期を迎えました。  このように、本書ではわかりやすい日本史の解説とともに、面白いエピソードもあわせて紹介されています。これから日本史を学ぶ子どもにも、復習をしたい大人にも、優しい1冊です。歴史に残した偉人たちの人間らしい一面がわかり面白いですが、歴史上の人物たちは実は「やばい」人ばかり(?)だったのかもしれません。
BOOKSTAND 9/18
打倒ワンオペ育児! ブラック育児を回避するためのヒント満載コミックエッセイ
打倒ワンオペ育児! ブラック育児を回避するためのヒント満載コミックエッセイ
新著『目指せ!夫婦ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』が各所で話題となっているイラストレーター・漫画家の水谷さるころさん。  フリーランスの映像ディレクターの夫とはお互いにバツイチ再婚同士で、事実婚。不妊治療を経て妊娠し、陣痛30時間からの緊急帝王切開で長男を出産。怒濤の妊娠・出産・育児の日々を読みやすいコミックエッセイで描いています。  水谷さんの1度目の結婚(法律婚)は30歳の時。仕事も家事も完璧に両立しなければと1人で抱え込んだ結果、疲弊し離婚。その後、36歳で再婚(事実婚)に至るまでの一部始終は、前著『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎刊)に詳しく描かれています。  最初の結婚での失敗から、水谷さんが身をもって学んだのが「抱え込まず人に頼ろう」(本書より)ということ。さらに家事育児のタスクを各自分担することよりも、夫婦一緒に「今、子どもがどういう状況か」を把握し、家庭内の困り感を共有(シェア)することが大切だということに気付いたと言います。  2016年「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10に選ばれた「保育園落ちた日本死ね」という言葉に象徴されるように、子どもを保育園に入園させるために行う「保活」の大変さは広く知られるようになりましたが、水谷さんも自身も保活経験を振り返り、以下のように述べています。  「こんなに『努力が報われるかどうかわからない』体験は、社会人になってから初めてでした。受験なら、自分が頑張って勉強した結果ですが、保活はそういうものでもないですし、判定基準も正直はっきりわからない。(中略)『フリーランス』というハンデ有りで『激戦区』の中で熾烈な保活競争をやった身としては『もうちょっと楽になるように、どうにかしてほしい~!』と思わずにはいられません」(本書より)  保活以外にも、産後育児のハードさから夫婦関係に亀裂が生じる「産後クライシス」。夫の長時間勤務などの事情から、妻1人の肩に家事と育児がのしかかる「ワンオペ育児」などの言葉がメディアを賑わせる昨今、子育て中の女性を取り巻く環境は、お世辞にも恵まれているとは言えません。  日々のワンオペ育児で燃え尽きてしまう前に、夫婦2人で家事育児をシェアするためのヒントが盛りだくさんの本書を、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
BOOKSTAND 9/13
速報! ヤフー×本屋大賞「ノンフィクション本大賞」、最終ノミネート作10作品が発表
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毎年、全国の書店員が「いちばん売りたい本」を選出する「本屋大賞」と、Yahoo!ニュースがタッグを組んで今年から新設された新たな賞「Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞」。この最終ノミネート候補10作品が、9月11日、発表されました。
BOOKSTAND 9/11
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