BOOKSTAND

天龍源一郎史上“最も聞き取りやすい”、人生を行き抜く上でのヒント
天龍源一郎史上“最も聞き取りやすい”、人生を行き抜く上でのヒント
65歳まで日本プロレス界の「生ける伝説」として第一線で活躍し続け、現在はタレントとして多岐にわたる活動をおこなっている天龍源一郎さん。バラエティ番組などで見せるあまりの滑舌の悪さが印象に残っている皆さんも多いかもしれません。  そんな天龍さんが雑誌『月刊BUBKA』で連載してきた「天龍源一郎の人生相談 龍魂一答」を単行本化したのが本書。仕事や恋愛・結婚、人間関係、生き方などに関する相談や質問への天龍さんの回答は優しく、ときに強く、そしてとても正直。世界一滑舌は悪くとも"最も聞き取りやすい"、生きる上でのヒントが詰まった一冊となっています。  たとえば「いい上司であり、いい部下であることを求められる中間管理職になってストレスがたまります」という仕事のお悩み。これはある程度の年数、組織の中で働いている人であれば誰しもぶつかることではないでしょうか。  これについて天龍さん、「上司にも部下にもどっちにもイイ恰好をしようと思っているから疲れるんだ」とバッサリ。では上司と部下、どちら側につけばいいのかというと......。  「それだったら、そのとき力のある人間に寄り添って生きていくのがいちばん間違いがないし、疲れないよ」とのこと。続いて、全日本プロレスでがむしゃらに自分をステップアップさせ、ジャイアント馬場から信頼を得るようになった、そうしたら後輩を飲みに連れまわしても文句を言われなかったと語ります。自身の体験談、しかもあのジャイアント馬場まで登場するとなれば、なんとも説得力のある答えですよね。  ほかにも「二次元の女性キャラが好きで、生身の女性の魅力がわかりません」という恋愛の悩みを持つ男性には、「生身の女性は変化があるからいいんだよ」との回答をする天龍さん。 「生身の女性と付き合うと、うまくいかなかったり葛藤もあるけど、逆に100%応えてくれるときの嬉しさもある。年をとるにしたがって自分の色に染まっていく女の人を見るというのは満足感が高いものだよ」と話します。年齢を重ねてきた人間ならではの円熟味ある回答にこれまた納得させられます。  勝負の世界で体ひとつで生き抜いてきた天龍さんだけに、ガツンとした豪快なアドバイスを喰らわせるのかと思いきや、そこにあるのは相談者に寄り添うように悩みと向き合う、優しく繊細な姿。これにはBUBKA編集部も「はじめに」で「ただひとつ予想外だった」と本音をこぼしています。プロレスでの天龍さんとはまたちがった一面を見ることができるのも、ファンにとってはうれしい一冊ではないでしょうか。  そして天龍さんの特別なファンではなくとも、本書の悩みはきっと多くの人たちに共通するもの。人生というリングでもがくすべての人たちに、勇気や励ましが届くような内容になっている本書。年末年始、自分を見つめ直すことも多いであろうこの時期に皆さんの役に立つ一冊となってくれるに違いありません。
BOOKSTAND 12/18
メニュー、部位、食べ方など焼肉にまつわる用語を多数のイラストを交えて徹底解説!
メニュー、部位、食べ方など焼肉にまつわる用語を多数のイラストを交えて徹底解説!
その言葉を耳にするだけで、光景を想像するだけで、幸せな気持ちになれる「焼肉」。ジューッという肉の焼ける音、箸ではさんだ肉からしたたる肉汁、噛むごとに口の中に広がる旨味......これを嫌いだという人なんてこの世にいるんでしょうか。  そんな焼肉をさらにおいしく感じられるようになる一冊が『焼肉語辞典』。肉マイスターとして知られる田辺晋太郎さん監修のもと、牛、豚、鶏などの肉の部位についてやおいしい焼き方、タレ、流通など焼肉全般の知識やうんちくを、多数のイラスト、テキストを交えて解説した焼肉用語辞典です。子どものころからこれまでに辞典なんて何度も引いてきたけれど、こんなに開くのがワクワクする辞典って初めてかも!  さて、この辞典の読み解き方ですが、わからない言葉や知りたい言葉の頭文字から検索して確認するというのは通常の辞典と同じ。そうすることで焼肉のメニューに対する知識、焼き方や食べ方のテクニックなどを深めていくことができます。そして焼肉の業界や市場についての見聞を広めることも。また、途中に挿入されたコラムページからはコアな専門知識を得ることができます。まさにこの一冊に焼肉のすべてが詰まっているといっても過言ではないかもしれません。  具体的にどのような言葉が載っているのか知りたい人も多いでしょう。ここで一部を抜粋すると......。あ行はアイスクリーム、赤センマイ、赤身肉、か行は回転焼肉、カイノミ、さ行はサーロイン、サイコロステーキ、サウスダウン種、た行は大根おろし、大山鶏、ダイチョウ......といった感じ。ごはんや麺類、サラダなどのサイドメニューや調理器具の用語まで並んでいるのにビックリですね。  けれど、本書の冒頭に「焼肉は素材から焼いて口に運ばれてくるまでのストーリーが存在する。腹一杯になればいいというものではなく、その過程をいかに楽しむかが焼肉の充実度を決めるのではないだろうか」と書かれているとおり、焼肉とはそれにまつわる何もかもが、おいしく食べるために欠かせないものだと考えられます。単なる食事という概念にとどまらず、焼肉にはエンターテイメント性がある。これほどまでに私たちを魅了してやまない理由のひとつもそこにあるのかもしれません。  本書を読み終わるころには、皆さんもきっと焼肉を食べに行きたくなっているはず。そして本書を読んだ後に食べる焼肉はまた格別なものとなるに違いありません。  ちなみにこのシリーズとして『パン語辞典』や『コーヒー語辞典』『ビール語辞典』なども出ていますので、興味を持った方は手に取ってみてくださいね。
BOOKSTAND 12/14
クスリ、ヤクザ、貧困ビジネス...大阪・西成での日々を綴った潜入ルポ
クスリ、ヤクザ、貧困ビジネス...大阪・西成での日々を綴った潜入ルポ
大阪市西成区あいりん地区。この地に軒を連ねるのは、生活保護受給者や日雇い労働者などを対象にした、通称「ドヤ」と呼ばれる簡易宿泊所。1泊1000円ほどと格安で利用できることから、東南アジアの安宿を利用するような感覚で、近年ではバックパッカーのような旅行者や出張ビジネスマンにも重宝されているのだとか。   今回ご紹介する『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』は、そんな貧困地域に潜入した日々を描くルポルタージュ。著者の國友公司さんは1992年生まれのフリーライター。筑波大学を卒業するも就職活動に失敗し、卒業の翌月から、俗に飯場(はんば)と呼ばれる作業員宿舎に住み込みます。解体作業などの肉体労働に従事したほか、生活保護受給者から搾取する貧困ビジネスが横行する現場も目撃することに。  最終的には、使用済みの注射器がザクザク出てくるホテル(ドヤ)のスタッフとして働きますが、ここで同僚となったのは、刺青が入った「皆川さん」、コミュニケーション能力に欠ける「K太郎」など、いずれも訳アリな顔触れ。  働きながらこの地域に流れ着いた人々を観察した結果、「あくまで体感として、その内の六割が覚せい剤を経験し、四割が元ヤクザといった感じである」(同書より)と言います。また遭遇した社会不適合者の面々の中には、恐らくADHD(注意欠如・多動性障害)などの何らかの発達障害が背景にあるように見える人もいたと述懐。  西成の感覚にどっぷり浸かりつつあった著者は、東京に戻るタイミングを亡失し、当初1カ月の滞在予定が78日間にも及ぶことになりますが...。  「お前はこれから西成の本を書くんやろ? その本で有名な作家になって、K太郎のことや俺らのことや西成のことなんてさっさと忘れて次に進め。お前も自分がどうなるか分からないって不安があるのも理解できるが、お前にはこの街にいる人間と違って未来があるんや。とにかく頑張り」(同書より)  そんな同僚の言葉をきっかけに、まもなくそのホテルを辞め、執筆したのが同書。新人フリーライターが「大阪市民も恐れる魔窟」(同書より)にどっぷり浸かった日々を綴った同書は、現代日本に生きる私たちに知られざる裏社会の存在を伝えてくれる、稀有な一冊と言えるでしょう。
BOOKSTAND 12/13
飲み会があっても入浴時間までに帰れればOK? 体がととのう入浴法とは
飲み会があっても入浴時間までに帰れればOK? 体がととのう入浴法とは
冷え性や生理不順、寝つきの悪さといった女性が抱えがちなちょっとした体の不調。小さなことのようですが、これが続くと生活での重い悩みになってしまいますよね。このような不調を抱える人に多いのが「ちゃんとお風呂に入っていない人」なのです。
BOOKSTAND 12/11
インスタ、ポケモンGO、スター・ウォーズ... メガヒットの理由は"◯◯感"!?
インスタ、ポケモンGO、スター・ウォーズ... メガヒットの理由は"◯◯感"!?
世間に写真共有アプリは数あれども、その中で「インスタグラム」が突出して普及し続けているのはなぜか? なぜ、ゲームアプリ「ポケモンGO」があれほどの爆発的ヒットを飛ばしたのか?
BOOKSTAND 12/7
AIが当たり前となるこれからの時代、私たちはどう生きていくべきか?
AIが当たり前となるこれからの時代、私たちはどう生きていくべきか?
AI(人工知能)、仮想通貨、電子マネーなど10年前にはまだ一般的とはいえなかったこれらのワード。今では私たちの日常にありふれたものとして存在しています。少し前までは「AIが人間の仕事を奪うようになる」と言われてもピンと来なかったものですが、今セルフレジを導入するスーパーマーケットやアパレルショップなども日に日に増えているのが現状です。  逆に言えば、これから先の仕事や会社、キャリアについてだって、10年後どころか5年先すら予期できない状況といえるのではないでしょうか。では、新たに始まる世界の中で私たちはどう生きていくべきなのか......?  その手がかりを示してくれる一冊が、堀江貴文さんと落合陽一さんによる『10年後の仕事図鑑』。お金、職業、仕事、会社、学校など、今考えられる新たな社会の姿を、常に時代の先端を走り続ける堀江さんと気鋭の日本人研究者として注目を集める落合さんが、あますところなく語っています。  少し前にAIでなくなる職業が話題になったことがありますが、実際に「自分の仕事はこの先も通用するのか?」「AIに取って代わられることはないのか?」と危機感を抱いている人も多いはず。本書では「消える職業」「生まれる職業」など含め、50近くの職業の未来をイラスト入りで紹介していて参考になります。  たとえばビジネスマンの筆頭職ともいえる「営業職」。本書では「AIが信頼されるようになると、『この人なら買ってもいい』と思われるようなお客さんがついている営業職だけが生き残れるようになる」と予想されています。そしてこの兆候はすでに「YouTuberの動画コマースなどに表れているのではないだろうか?」とも。  たしかにひと昔前であれば、何か商品を買おうとした際、営業職の人から説明を受け購入するかどうかを判断する場合が一般的でした。けれど今、ネットで少し探すだけで商品の情報が豊富に見つかり、購入者のレビューを見ることができ、さらに自分の好みや希望に合わせた最適な商品までオススメしてくれる。営業マンよりもYouTuberの動画紹介のほうがはるかに購買欲をそそられる場合もあります。将来的には「フォロワーのいる営業職だけが生き残る」というのもあながち間違いではないかもしれません。  他はどうでしょうか。なり手がいないということでニュースなどでたびたび取り上げられる「介護職」。これについては「サービスのあり方が変わる」としています。行動にともなう安全管理といったAIに任せられる部分が増えれば、人がやるべきでない業務が減る。「仕事は最適化され、対話など、人間にしかできない仕事の価値が総じて高くなるだろう」と書いています。仕事の価値が高くなることで介護士の賃金が高くなる未来もありうるのであれば、AIの進化も悪いものばかりではないといえそうです。  本書では、おとずれる未来に対して不安ばかりを煽っているわけではありません。今後、今のような形の仕事や会社はなくなるかもしれませんが、それを希望と見るか絶望と見るかはあなた次第だと説いている本書。この先、自分なりのポジショニングをどうすべきか見極めたい、これから社会にはばたく学生、将来の職業について考える10代など、幅広い人たちが生き方のヒントをもらえる一冊となっています。
BOOKSTAND 12/5
柴田紗希が編集長を務めるwebマガジン『Leads』創刊 ファンと直接つながる場所をプロデュース
柴田紗希が編集長を務めるwebマガジン『Leads』創刊 ファンと直接つながる場所をプロデュース
"しばさき"の愛称で幅広い層の女性たちから熱い支持を集めるモデル・タレントの柴田紗希さんが編集長を務める新しいwebマガジン「Leads」が、12月4日(火)、創刊されました。
BOOKSTAND 12/4
加藤ミリヤとインスタグラマーが考える「インフルエンサーの未来」とは
加藤ミリヤとインスタグラマーが考える「インフルエンサーの未来」とは
11月28日、渋谷ブリッジ1階のカフェ「NO RAILS, NO RULES.」でトークイベント「インフルエンサーの未来についてぶっちゃける」が開催され、シンガーソングライターの加藤ミリヤさんが登場しました。  同イベントは、雑誌『an・an』(マガジンハウス)で連載されていた加藤さんの人気作品が書籍化された小説『28 twenty eight』(ポプラ社)の「読書サロン」として行われ、著者である加藤さんと、ファッション動画マガジン『MINE』編集長の秦 亜衣梨さんが登壇。さらに参加者として、会場にはインスタグラムなどを中心に情報を発信するインフルエンサーの女性約10名が集まり、様々なトークが展開されました。  『28 twenty eight』は、高校の同級生でありながら、生き方も性格もまったく違う28歳の女性5人が女子会を通じてそれぞれの人生に向き合っていく姿を描いた小説。一方の秦さんが手掛ける『MINE』は、「明日の自分を提案する」をコンセプトに30歳前後の女性に向けたコンテンツを配信するオリジナル動画メディアです。  加藤さんと秦さんは、「自分自身で未来につながる旅」を計画し、その様子をシリーズで配信する『MINE』の特別企画『Future is MINE』で連載を持っていたことが縁で今回のイベントの開催に至ったそう。トークイベントはまず、本のタイトルにちなんで登壇者2人の「28歳」からスタート。  「『28 twenty eight』に出てくる5人は、どこかが自分か自分の友達に当てはまっていて、その時に感じていた苦しさを思い出しました」とまず秦さん。それに対し加藤さんは、「『28 twenty eight』は、高校を卒業して10年が経った節目に高校時代の友人たちと再会した際の会話をもとに書いた物語なんです。キャリアアップしたかったのに結婚と出産を経験し後悔していると語る子もいれば、結婚を高らかに宣言して『ミリヤはいつまで仕事するの?』と言ってきた子もいて、それにカッチンときたり(笑)。でも、人と比べるわけじゃないけど、私は自分の人生で良かったと思えています」と語りました。
BOOKSTAND 11/30
心温まるエッセイが詰まった『泥酔懺悔』はおいしいお酒を飲んだ時のよう------アノヒトの読書遍歴:山中千尋さん(後編)
心温まるエッセイが詰まった『泥酔懺悔』はおいしいお酒を飲んだ時のよう------アノヒトの読書遍歴:山中千尋さん(後編)
グローバルに活躍しているジャズ・ピアニストの山中千尋さん。世界を舞台に活躍を続ける一方で、時間があれば本屋を巡り、月に50冊ほどの蔵書を購入されるといいます。そんな山中さんに、前回に引き続き日頃の読書生活について伺いました。
BOOKSTAND 11/28
1カ月の本の購入数は50冊以上、時間があれば神保町で古本屋巡りも------アノヒトの読書遍歴:山中千尋さん(前編)
1カ月の本の購入数は50冊以上、時間があれば神保町で古本屋巡りも------アノヒトの読書遍歴:山中千尋さん(前編)
ジャズ・ピアニストの山中千尋さん。名門校「バークリー音楽大学」を首席で卒業した後、米メジャーレーベルと契約し全米デビュー。これまでにリリースしたアルバムは国内のあらゆるジャズチャートで1位を獲得し、名実ともに日本を代表するピアニストに。今年6月には、最新アルバム『ユートピア』をリリースしました。現在はアメリカ・ニューヨークを拠点として、世界各地で活躍している山中さん。グローバルな活躍と同様に、さまざまなジャンルの本を読むとか。今回は幼少期からの読書遍歴を伺いました。
BOOKSTAND 11/27
毎日たった1分の手ほぐしで現代人の脳疲労はケアできる!?
毎日たった1分の手ほぐしで現代人の脳疲労はケアできる!?
特に疲れることはしていないはずなのに、疲労を感じることはありませんか? 最近は慢性的な疲れを感じている人や、起きるのがつらいと感じている人が増えています。それはここ10年ほどで仕事以外の時間にもパソコンやスマートフォンを見る時間が増え、私たちの「疲れ」にも変化が起きているからなのだそうです。  肉体労働から頭脳労働、またプライベートでの頭脳活動の割合が増えた今、人々が疲れを感じる場所は脳だと、本書『たった1分 脳疲労にきく魔法の手もみ』著者の手島渚さんは語っています。本書ではボディセラピストとして脳を癒すことを実践している手島さんが、隙間時間に1分でできる「手ほぐし」のテクニックを教えてくれています。  そもそも疲れが取れないと感じるのは「脳疲労」によるもの。本書によると現代人の脳は体全体のエネルギーの約18%を消費するほど活動しているそう。インターネットから不必要な情報が流れてきたり、無意識にネガティブな思考をしていたりすることで疲れが生じてしまいます。  脳が活動しているときには、必ずしも体の運動が伴うとは限りません。そのため体への疲労が溜まることはなく、脳疲労への自覚が遅れたりケアを怠ったりしてしまうことになるのだそうです。脳疲労の初期サインとしては「手先などの身体の末端が冷える、こわばる」「目の疲れを感じる」などがあるそうなので気にしてみてください。  手島さんは本書を通じて「基本の親指ほぐし」や、脳疲労を解消する「手ほぐし」をいくつも紹介していますが、もっとも大切なことは「脳休習慣」を持つことだと伝えています。家族やパートナーと手を触れ合ってほぐすのも癒し効果があるそう。働きっぱなしの脳を意識的に休ませることを習慣にし、その一環としての手ほぐしが有効だそうです。  また他にも偏頭痛、肩こり、便秘など症状に合わせた手ほぐしも本書では紹介しています。習慣として行いたい親指ほぐしや、寝る前の手ほぐしと組み合わせて取り入れ、日々の気づきにくい疲れを少しずつケアしてみてはいかがでしょうか。
BOOKSTAND 11/22
介護は根性では無理!? 今世界から注目を集めるフランス生まれの介護メソッドとは
介護は根性では無理!? 今世界から注目を集めるフランス生まれの介護メソッドとは
超高齢化社会到来と言われる現代日本。高齢者が高齢者の介護をせざるを得ない「老老介護」はもとより、最近では認知症高齢者が認知症高齢者を介護する「認認介護」といった言葉も登場し、介護による"共倒れ"問題は、誰しも他人事ではありません。  メディアでも、介護にまつわる事件や事故が取り上げられる機会も多いですが、いざ家族の介護問題に直面すると、どのように接したら良いかわからずに追い詰められてしまう方も多いのではないでしょうか。  そんな社会問題化している介護問題の切り札として、近年注目を集めているのが、今回ご紹介する"ユマニチュード"。ユマニチュードは、介護問題の専門家、イヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティが考案したケアの技術で、フランス語で「人間らしさを取り戻す」という意味の造語です。  両氏の新著『家族のためのユマニチュード』では、ユマニチュードの基本となる、行動科学的なコミュニケーション方法の4つの柱「見る」「話す」「触れる」「立つ」と「ケアの5つのステップ」について平易な説明で紹介。  親や配偶者の介護は精神的、肉体的にも負担が大きく、強いストレスに疲弊してしまう方、支援の情報が得られず孤立してしまう家庭も数多く存在します。そういう場合、他人の手を借りることに罪悪感を持ったり、うまく介護できない自分を責めたりしてしまいがちですが、同書では「『周囲に助けを求める』ことも、介護のとても重要な技術です」と提唱します。  介護問題は、いわゆる"根性論"のように個人の努力で乗り越えられるものではないこと、家族だけで抱え込むのではなく、早い段階で行政をはじめ社会的支援を求めることが必要だと訴えています。介護を受ける側はもちろんですが、今現在介護をしている家族を支え、負担を軽減するためには、同書が紹介する体系化されたメソッドは、極めて有効と言えるでしょう。  ほぼ誰にでも訪れるであろう介護問題。いつわが身に訪れるかわからない今、決して人ごとではないとの思いで手に取りたい一冊かもしれません。
BOOKSTAND 11/19
この話題を考える
学校現場の大問題

学校現場の大問題

クレーム対応や夜間見回りなど、雑務で疲弊する先生たち。休職や早期退職も増え、現場は常に綱渡り状態です。一方、PTAは過渡期にあり、従来型の活動を行う”保守派”と改革を推進する”改革派”がぶつかることもあるようです。現場での新たな取り組みを取材しました。AERAとAERA dot.の合同企画。AERAでは9月24日発売号(9月30日号)で特集します。

学校の大問題
働く価値観格差

働く価値観格差

職場にはびこる世代間ギャップ。上司世代からすると、なんでもハラスメントになる時代、若手は職場の飲み会なんていやだろうし……と、若者と距離を取りがちですが、実は若手たちは「もっと上司や先輩とコミュニケーションを取りたい」と思っている(!) AERA9月23日号では、コミュニケーション不足が招く誤解の実態と、世代間ギャップを解消するための職場の工夫を取材。「置かれた場所で咲きなさい」という言葉に対する世代間の感じ方の違いも取り上げています。

職場の価値観格差
ロシアから見える世界

ロシアから見える世界

プーチン大統領の出現は世界の様相を一変させた。 ウクライナ侵攻、子どもの拉致と洗脳、核攻撃による脅し…世界の常識を覆し、蛮行を働くロシアの背景には何があるのか。 ロシア国民、ロシア社会はなぜそれを許しているのか。その驚きの内情を解き明かす。

ロシアから見える世界
緻密で高性能だと思われがちな人のからだ 実は想定外な部分だらけ...?
緻密で高性能だと思われがちな人のからだ 実は想定外な部分だらけ...?
なめらかな動きを作り出している筋肉や骨格、どんなコンピューターよりも優れている脳、生命を維持するために休みなく働く内臓たち......私たちの体は実に緻密に、高性能にできています。いえ、「できている」と思われています。  けれどそんな精緻な人体も、見方を変えると情けなかったり残念だったりする部分がたくさんあるのだとか。  そんな「なぜ?」という想定外な部分にスポットを当てたのが、坂井建雄著による本書『想定外の人体解剖学』です。  たとえば、「脳は自分の痛みには気づけない」というのもそのひとつ。脳は外側を覆っている硬膜に痛みを感じる神経が集まっていて、その神経を通じてケガの情報が伝わり、初めて「痛い」と感じるようにできていますが、脳自体に神経は通っていません。言われてみれば、ずいぶんと回りくどい、不便そうなシステムと言えますね。  本書の解説によると、そもそも脳は豆腐のように柔らかいもののため、脳のまわりを軟膜、クモ膜、硬膜の三層が包み、その外側を硬い頭蓋骨が守っているのだそう。そして、豆腐が水の入った容器の中で崩れないのと同様に、脳も軟膜とクモ膜の間の液体に浮いた状態で収まっているのだとか。頭をぶつけても液体がショックを吸収するため、脳は無事であり、頑丈に安全に守られています。そのため、脳自体が壊れることは想定されてなかったと考えることも。だから脳自体が痛みを感じるようには作られていない......ということのようです。不便には不便ながらの理由もあるわけですね!  また、ついつい「ムダ」だと思ってしまうような想定外のシステムも。「コラーゲンを食べても肌はプルプルにならない!?」という項目を見てみると......。鶏肉や豚肉、スッポンなどに豊富に含まれるというコラーゲンですが、本書によると「食事でとった栄養素はそのまま体の中で使われるわけではない」のだとか! 特にコラーゲンなどのたんぱく質は体の中で分子量のアミノ酸に分解され、肝臓でいろいろな種類のたんぱく質につくり変えられ全身の細胞に届けられるため、肌に届くとは限らないそう。「コラーゲンを食べたら翌日、肌がプルプルに!」なんて話もよく聞きますが、美肌を気にする女性にとって、コラーゲンを食べることは「ムダ」とまでは言えないまでも過信するのはやめたほうがよさそうです。    本書にはこうした想定外のシステムが実に150以上も紹介されています。すべてに意味や必要性があって存在していると思っていた機能にも、こんなにも多くの残念(?)な想定外があるとは......! それでも、現在の環境の中でやりくりして毎日を過ごしている私たち。それを考えると、なんだか急に自分の体が愛しくなってくるようにも思えます。もっとも身近にあるのに大きな神秘に満ちた「人体」。本書でその秘密にふれるたびに、皆さんも今まで以上に生命の尊さを感じてワクワクすることでしょう。
BOOKSTAND 11/16
築地市場から密漁団まで決死の潜入! 食品業界最大のタブーを暴く一大ルポ
築地市場から密漁団まで決死の潜入! 食品業界最大のタブーを暴く一大ルポ
サカナとヤクザ。一見なんの関係もなさそうな両者ですが、実はそこには密接なかかわりがあるとしたら......?   「アワビもウナギもカニも、日本人の口にしている大多数が実は密漁品であり、その密漁ビジネスは、暴力団の巨大な資金源となっている」――そんな実態を突き止めるべく、築地市場での潜入労働をはじめ、北海道から九州、台湾、香港までまたをかけて突撃取材を敢行するなど、2013年から丸5年の取材を費やして書き上げた衝撃のルポが本書『サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』です。  著者はフリーライターでありカメラマンでもある鈴木智彦氏。東日本大震災後に福島第一原子力発電所で作業員として勤務した際の体験をもとにした『ヤクザと原発 : 福島第一潜入記』や、当サイトでも以前にご紹介した『全員死刑: 大牟田4人殺害事件「死刑囚」獄中手記』といった著書でも知られています。本書も「暴力取材のエキスパート」と呼ばれ、暴力団に関する潜入ルポも経験済みの鈴木氏だからこそなしえた、実情に肉薄した内容だといえるでしょう。  鈴木氏が最初に取材したのは"三陸のアワビ"。大ヒットドラマ『あまちゃん』の舞台である岩手県でアワビの大規模密漁団が逮捕されていたことを知り現地へと赴いた鈴木氏は、密漁がヤクザのしのぎとなっており、闇ルートで近隣の料理屋や寿司屋に卸されるほか、アジア一の魚市場である築地市場にもやってくるという情報を入手します。  そこで次の取材先となったのが築地市場。ここでは実際に仲卸の軽子(配送人)として4か月間働き、仲卸の会社の役員から「築地で密漁アワビは売られている」という言葉を得ることに成功しています。    このように、その後も北海道ではナマコや毛ガニの密漁、九州・台湾・香港ではウナギの稚魚であるシラスウナギの密漁について取材を重ねていく鈴木氏。それは手を突っ込めば突っ込むほど、日に当ててはいけないものを引っ張り出していくかのような、日本の食品業界のタブーに切り込んでいくものとなります。しかしそうしたことに、密漁者やヤクザだけでなく水産庁や漁業組合、市場関係者も見て見ぬふりをしているのが現状だといえそう。  そして消費者である私たちもまた、完全なる共犯であると鈴木氏は指摘します。私たちは希少なサカナを求めるあまり、知らないうちに密漁品を食べ、結果、反社会的勢力に協力しているのかもしれない......。無知なままであれば「知らなかった」で済むかもしれませんが、本書を読んでしまってはもはや魚市場やお寿司屋さんには無邪気な気持ちでは行かれなくなりそうです。  豊洲市場への移転や2020年の東京オリンピックなど活気あるニュースがめぐる日本ですが、その陰にはこうした一端が厳然としてあるということは知っておいて損はないのではないでしょうか。
BOOKSTAND 11/14
インプット中心の働き方はムダ? 精神科医が明かす、アウトプットの鍛え方とは
インプット中心の働き方はムダ? 精神科医が明かす、アウトプットの鍛え方とは
スキルアップのためにセミナーをたくさん受講したり、成長のために多数のビジネス書を読んだり...。積極的に自己研鑽に励んでいるが、どうも結果に結びつかない。知識を詰め込むインプットで終わってしまう...。  アウトプットの重要性は知っていても、インプットで満足してしまう方も多いのではないでしょうか?  実に約9割のビジネスパーソンが、そんなインプット中心の非効率な学び方をしていると指摘するのが、書籍『学びを結果に変えるアウトプット大全』。著者の樺沢紫苑さんは、Twitter、FacebookなどSNSを駆使し、"日本一、情報発信する医師"の異名を取る精神科医です。『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』(大和書房)や、15万部を突破した『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)など著書も多数。  樺沢さんは本書『学びを結果に変えるアウトプット大全』の中で「知識を詰め込むインプットの学びだけでは、現実は変わりません」と訴え、インプット中心の働き方には無駄が多く、アウトプット中心の働き方に軸足を移すべきだと述べています。  脳科学に立脚したアウトプット力の鍛え方を多数紹介している同書ですが、その中でも意外なものが"落書き"。たとえば、大事な授業や会議の場で、落書きをしながら聴いているなんて、集中力に欠けているように見えますが、実際は逆。同書で紹介する実験によれば、落書きをした人は、落書きをしない人に比べて、29%も記憶量がアップしたのだとか。  同書では、落書きをしていた著名人として、"自動車王"ヘンリー・フォードや、アップル社の創業者、スティーブ・ジョブズ、国内では『人間失格』で知られる作家・太宰治のノートが落書きだらけだった事例をあげ、記憶力だけでなく創造力アップにも効果があると述べています。  勉強や仕事に限らず、日常の人間関係の場でも役立つこと間違いなしの実戦的アウトプットトレーニング、インプットだけで満足しがちな方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
BOOKSTAND 11/9
ヤフー×本屋大賞「ノンフィクション本大賞」が決定!受賞は角幡唯介氏の『極夜行』
ヤフー×本屋大賞「ノンフィクション本大賞」が決定!受賞は角幡唯介氏の『極夜行』
全国の書店員が「いちばん売りたい本」を選出する「本屋大賞」と、Yahoo!ニュースがタッグを組んだ「Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞」が11月8日、東京・ヤフー株式会社紀尾井町オフィスで発表されました。  第一回受賞作品は、角幡唯介氏の『極夜行』(文藝春秋)。太陽が昇らない北極の極夜の冒険を描いた作品です。  主催者の同社取締役会長・宮坂学氏は、「本屋大賞から誘いがあり、二つ返事で協力させていただきました。Yahoo!ニュースというサービスではノンフィクションに関わっている著者がとても多い。最前線でいろんなものを見ている方のお役に立てれば」と、新設の賞への思いを語りました。  選考の対象は、2017年7月1日から2018年6月30日の間に日本語で出版されたノンフィクション作品全般(※海外作品の翻訳本は除く)。約100人の書店員の投票で9月11日にノミネート10作品を発表し、二次選考を経て大賞の発表となりました。  本屋大賞実行委員会からは、「ノンフィクションは定義しにくい分野ですが、候補には全国から素晴らしい本が集まりました。手に取るのをためらうような重いテーマもありますが、込められた熱量を感じてほしい」というコメントが読み上げられました。  大賞を受賞した角幡唯介氏は「今はスマホの時代で本が読まれなくなっています。インターネットには情報があふれていますが、検索して出てくるのは結果でしかなく、過程が見えなくなっています。情報はリスクを負って労力をかけなければいけませんが、危険を冒す必要があるのか、と言われることも。しかし発掘されなければその事実は死んでしまいます」とノンフィクションの意義を語りました。
BOOKSTAND 11/8
「サッポロ一番塩らーめん」今すぐ試したいアレンジレシピが詰まりまくった最強本!
「サッポロ一番塩らーめん」今すぐ試したいアレンジレシピが詰まりまくった最強本!
袋入りインスタント麺の定番ブランド「サッポロ一番」。元祖ともいえる王道の「しょうゆ」、奥深いコクと風味が人気の「みそ」、野菜のうまみが効いたスープが特徴の「しお」とそれぞれ良さがありますが、皆さんはいちばんアレンジを楽しむのに適している種類はどれだと思いますか?  それは「サッポロ一番 塩らーめん」だと豪語するのは、タベアルキストとして知られるマッキー牧元さん。無限のアレンジが広がる懐の深さが「サッポロ一番 塩らーめん」にはあるのだといいます。  本書『超一流のサッポロ一番の作り方』はマッキーさんが「サッポロ一番 塩らーめん」を使って生み出した驚きのアレンジレシピが掲載された一冊。手間をかけず、10分以内で作れて、高級食材は使わない......などの決め事のもと選ばれた、バラエティに富んだ9種類のレシピが並んでいます。  たとえば、マッキーさんの食卓登場率ナンバー1だという「タンメン風」。ただ野菜をたくさん入れればよいわけではなくて、麺の茹で時間を2分半にしたり、スープは別鍋で作ったり。ちょっとしたこだわりを加えるだけで、うんとおいしい一品になることがわかります。あ、調理中は「白菜、椎茸、に~んじん♪」と歌うのも忘れてはいけないそう(若い方はこのCM知ってるかしら......)!  ほかにも、チーズが溶けて絡まりイタリアンのような味わいを楽しめる「ナポリ風」、ごま油の風味とキムチで韓国の味になるという「ソウル風」、トマトや香菜、タバスコなどを使って辛味と酸味のパンチを効かせた「メキシコ風」、卵とチーズがクリーミーな「カルボナーラ風」などアレンジは本当に多彩。ここまで自由自在に応用できるのは、やはり「サッポロ一番 塩らーめん」だからこそ。  「どう調理するかを考えるのが楽しくて、サッポロ一番塩らーめんを選ぶのである。しょうゆ味やみそラーメンではなく、断じて『塩らーめん』なのである。どんなアレンジにも対応するこの懐の深さ、包容力がいい。その付き合いはもうかれこれ30~40年は経っているだろうか」とマッキーさんが絶賛するのもなんとなくわかります。  さて、タイトルだけ見ると一冊まるまる、サッポロ一番 塩らーめんのアレンジが載っているのかと思ってしまいますが、実はそうではありません。昼メシの定番・焼きそば、TGKこと玉子かけごはんや目玉焼きといった卵料理など、さまざまな"超一流"の作り方がここには集まっています。  ほかにも、「超一流の食べ方」として吉野家の牛丼、王将の餃子、ナポリタン、とんかつなどの絶対マネしたくなる食べ方を披露。「超一流の駅弁勝負」なる項目では、崎陽軒のシウマイ弁当の食べ方お作法なんてものも......。  ああ、もう読んでいるだけですぐさま試してみたくなる! レシピ通りにただ作るだけでなく、自分なりの作り方や食べ方を見つけるのもこれまた食の楽しみ。そんなことに気付かせてくれるマッキー牧元さんの『超一流のサッポロ一番の作り方』。グルメな皆さんの参考書としておそばに一冊、いかがでしょうか。
BOOKSTAND 11/7
「ワセジョ」はおしゃれに、「慶應ボーイ」はバンカラになった?
「ワセジョ」はおしゃれに、「慶應ボーイ」はバンカラになった?
このところ人気を集めるネット発のリアリティ・ショー。なかでも、Amazon Prime Videoで配信されている婚活サバイバル番組シリーズ「バチェラー・ジャパン」については、その話題を耳にした方も多いのではないでしょうか?   同番組は、1人の成功した独身男性(バチェラー)がゴージャスで非日常な空間でのデートを経て、約20名の女性からたった1人を選ぶというもの。その記念すべきシーズン1で、初代ベチェラーの心を射止めたのは当時現役女子大生だった蒼川愛さん。番組で登場したプロフィールには「政治経済学部」とだけの記載でしたが、実際には早稲田大学に在籍しているということが囁かれていました。  「早稲田の政経」といえば、私学の雄である早稲田大学のエース的存在として君臨してきた難関学部。王道系モテ女子といった風貌の蒼川さんが学問にも長けていたという「天は二物を与える」な話にも興味が惹かれます。しかし、それよりも蒼川さんが「バンカラで逞しくって、ちょっとダサい」と自嘲的に語られてきた早稲田の女子学生に対する「ワセジョ」というイメージとかけ離れていることに注目する人も多いかもしれません。  実は近年、ファッション誌を飾る女子大生読者モデルの数において、早稲田と慶應がトップ争いを繰り広げています。2016年は慶應が全大学中1位で早稲田が2位、2015年には早稲田が1位で慶應は10位(『大学ランキング』朝日新聞出版より)。このようなデータをもとに、かつての早稲田大学と現在が大きく変化していることを、永遠のライバル校である慶應大学と比較しながら論じるのが『早稲田と慶應の研究』(小学館新書、オバタカズユキ)です。  同書は他にも、私学の両雄の偏差値、志望者数、早慶ダブル合格の際の進学先、司法試験などの難関試験数にも"昔と今"で異変があることを伝えています。たとえば就職先。とくにIT関連企業のメガベンチャーにおいては、これまで大企業への就職が主流であった慶應とマスコミへの就職が強かった早稲田の数字がそれほど変わらない現状を伝えます。これはマスコミに代わってIT関連企業が台頭し、もはや大企業の風格さえあることを示しています。  ちなみに、冒頭の「バチェラー・ジャパン」の2代目バチェラーである小柳津林太郎さんは、慶應大学出身で大手IT企業・サイバーエージェントの幹部。こんな苛烈な婚活バトルに出演するなんて、慶應ボーイも蛮勇でバンカラになったもの......? 最近の早稲田と慶應をめぐるあれこれについて気になることがあれば、同書を読むと腑に落ちることが多いかもしれません。
BOOKSTAND 11/5
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