第18回 2001年ネヴァー・エンディング・ツアーの途中、60回目の誕生日前後に録音されたアルバム『ラヴ・アンド・セフト』
1997年のアルバム『タイム・アウト・オブ・マインド』によって、たとえばグラミー賞の最重要部門=最優秀アルバム賞を獲得するなど、あらためてたしかな存在感を示したボブ・ディラン。もちろん自らも強い手応えを感じていたに違いない彼は、98年と99年もネヴァー・エンディング・ツアーで100回以上ステージに立っている。同ツアーのメンバーは微妙に変化しているのだが、この間に、ギターだけでなくフィドルやマンドリン、バンジョーなども弾きこなすラリー・キャンベル(のちにリヴォン・ヘルムの片腕的存在となり、復活作『ダート・ファーマー』と遺作となった『エレクトリック・ダート』をプロデュース。どちらもグラミーを獲得するという、大きな仕事を残した)と、80年代にテキサス州オースティンから十代半ばの若さで登場して注目を集めたあのチャーリー・セクストンが参加。熱心なファンのなかには、この時期のラインナップを「ベスト」とする人が少なくないようだ。
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