第8回 ザ・バンドとの再合流、アサイラムへの移籍をへて世に送り出した名盤『プラネット・ウェイヴズ』
1968年『ジョン・ウェズリー・ハーディング』発表後のボブ・ディランの歩みを簡単に振り返っておこう。翌69年春には、ジョニー・キャッシュとのデュエットで再録音した《北国の少女》や《レイ・レディ・レイ》を収めた『ナッシュヴィル・スカイライン』、70年夏には、《レット・イット・ビー》や《ブルー・ムーン》など有名曲のカヴァーを含む2枚組『セルフ・ポートレイト』を発表。この時期の彼はほとんどの曲をそれまでとは異なる澄んだ声で歌っているのだが、同じく70年の秋に発表した『ニュー・モーニング』では本来(?)の声に戻り、《イフ・ノット・フォー・ユー》などの名曲を残した。
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