大友博

大友博

プロフィール

大友博(おおともひろし)1953年東京都生まれ。早大卒。音楽ライター。会社員、雑誌編集者をへて84年からフリー。米英のロック、ブルース音楽を中心に執筆。並行して洋楽関連番組の構成も担当。ニール・ヤングには『グリーンデイル』映画版完成後、LAでインタビューしている。著書に、『エリック・クラプトン』(光文社新書)、『この50枚から始めるロック入門』(西田浩ほかとの共編著、中公新書ラクレ)など。dot.内の「Music Street」で現在「ディラン名盤20選」を連載中
六九亭日乗

大友博の記事一覧

第8回 ザ・バンドとの再合流、アサイラムへの移籍をへて世に送り出した名盤『プラネット・ウェイヴズ』
第8回 ザ・バンドとの再合流、アサイラムへの移籍をへて世に送り出した名盤『プラネット・ウェイヴズ』
1968年『ジョン・ウェズリー・ハーディング』発表後のボブ・ディランの歩みを簡単に振り返っておこう。翌69年春には、ジョニー・キャッシュとのデュエットで再録音した《北国の少女》や《レイ・レディ・レイ》を収めた『ナッシュヴィル・スカイライン』、70年夏には、《レット・イット・ビー》や《ブルー・ムーン》など有名曲のカヴァーを含む2枚組『セルフ・ポートレイト』を発表。この時期の彼はほとんどの曲をそれまでとは異なる澄んだ声で歌っているのだが、同じく70年の秋に発表した『ニュー・モーニング』では本来(?)の声に戻り、《イフ・ノット・フォー・ユー》などの名曲を残した。
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ノーベル文学賞受賞に思う 反戦、公民権運動「風に吹かれて」だけではないボブ・ディラン
ノーベル文学賞受賞に思う 反戦、公民権運動「風に吹かれて」だけではないボブ・ディラン
日本時間10月13日夜に伝えられた「ボブ・ディランにノーベル文学賞」というニュースは驚きをもって迎えられたようだ。ただし、その驚きの原因の大半は、とりわけ日本に関していえば、「村上春樹じゃないの?」ということだったのではないだろうか? 某テレビ局のニュースで、発表直後に新橋駅前で収録されたと思われる取材映像を流していたのだが、中年の男性は「春樹じゃないのかよ」、若い女性は「えーっ、ボブ・ディラン!?」という反応だった。  まず事実だけを書いておくと、ノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)はアルフレッド・ノーベルの「文学の分野で、傑出した作品体系を築き上げた人に」という言葉をもとに、ほかの4つの賞とともに1901年に創設され、毎年1人の文学者に授与されてきた。200人前後(近年)の候補者のなかからスウェーデン・アカデミーの会員18人によって決められるという。ボブ・ディランは、その113人目(戦争で中断された時期や複数受賞の年もあった)の受賞者 で、アメリカ人としては11人目ということになるそうだ。
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第78回 『ライヴ・イン・サンディエゴ』エリック・クラプトン with J.J.ケイル
第78回 『ライヴ・イン・サンディエゴ』エリック・クラプトン with J.J.ケイル
2016年4月、エリック・クラプトンは、日本武道館で5回のライヴを行なっている。東京のみだったのでツアーとは呼べないが、それは公式の日本公演、通算21回目となるものだった。そのなかで、とりわけ強く印象に残っているのが、1974年の初来日を別にすると、ドイル・ブラムホールⅡ、デレク・トラックスとのトリプル・ギター編成で行なわれた06年11月から12月にかけてのジャパン・ツアーだ。
10/12
第7回 多くのカヴァー・ヴァージョンを生むこととなる名曲《オール・アロング・ザ・ウォッチタワー》を収めた、ディラン26歳のアルバム『ジョン・ウェズリー・ハーディング』
第7回 多くのカヴァー・ヴァージョンを生むこととなる名曲《オール・アロング・ザ・ウォッチタワー》を収めた、ディラン26歳のアルバム『ジョン・ウェズリー・ハーディング』
のちに『ザ・ベースメント・テープス』と呼ばれることになる大量の音源を残したウッドストックでのセッションは、1967年9月までつづいた。そのうちのいくつかは版権管理会社が売り込みに使うためのデモ音源としてプレスされていて、それらをもとにブートレッグ=海賊盤がつくり出されることになる。実際、何組かのアーティストがそこから曲を取り上げていて、またザ・バンドは翌年発表のデビュー作『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』に《アイ・シャル・ビー・リリースト》など地下室テープ関連の3曲を収めているのだが、ディラン自身はなにごともなかったかのように、10月にはもう、ナッシュビルで次の新しい一歩を踏み出していた。そして、その年の暮れにはそこでの成果を世に送り出している。『ジョン・ウェズリー・ハーディング』だ。
10/5
第6回 世の流れから距離を置き、静かに音楽に打ち込んだ半年の記録、『ザ・ベースメント・テープス』ボブ・ディラン&ザ・バンド
第6回 世の流れから距離を置き、静かに音楽に打ち込んだ半年の記録、『ザ・ベースメント・テープス』ボブ・ディラン&ザ・バンド
1993年の夏、これといった理由も目的もなくニューヨーク州アルスター郡ウッドストックを訪ねたことがある。マンハッタンから北に向かってゆっくりと車を走らせ、3時間ほど。そこは、森のなかの、文字どおりのスモールタウンだった(行政区分上も、シティではなくタウン)。その美しい自然と、静かな環境が19世紀の末ごろから多くの芸術家たちに愛されてきたそうで、かなり大雑把ないい方だが、北軽井沢に近いものを感じた。
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第5回 ロック文化が大きくその様相を変えた年、1966年を象徴する2枚組の大作『ブロンド・オブ・ブロンド』
第5回 ロック文化が大きくその様相を変えた年、1966年を象徴する2枚組の大作『ブロンド・オブ・ブロンド』
今からちょうど半世紀前の1966年。いわゆる《ロックンロールの誕生》から約10年ということになるこの年、ロックは、明確な形で変化を遂げ、その表現領域を大きく広げている。
9/21
第4回 印象的なスネア・ショットに導かれて幕を開ける、歴史的名盤『追憶のハイウェイ61』
第4回 印象的なスネア・ショットに導かれて幕を開ける、歴史的名盤『追憶のハイウェイ61』
通算5作目『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』の発表から3ヶ月後ということになる1965年6月半ば、ボブ・ディランはプロデューサーのトム・ウィルソン、マイケル・ブルームフィールド、アル・クーパーらとニューヨークのスタジオに入り、《ライク・ア・ローリング・ストーン》を録音している。その様子、完成までの経緯はグリール・マーカスの著書『ライク・ア・ローリング・ストーン:ボブ・ディラン・アット・ザ・クロスローズ』に詳しい。また、2015年秋発売のブートレッグ・シリーズ第12弾『ザ・カッティング・エッジ』では、残された全15テイクすべてを聴くこともできる。
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第3回 はじめてロックンロール・バンドとの本格的なセッションを収めたアルバム『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』
第3回 はじめてロックンロール・バンドとの本格的なセッションを収めたアルバム『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』
1962年春の『ボブ・ディラン』でデビューをはたし、翌年の『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』と《風に吹かれて》で一躍注目の存在となったディランは64年に『ザ・タイムズ・ゼイ・アー・ア=チェインジング/時代は変わる』、『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』の2枚を発表している。すごい勢いだ。曲が、歌うべき言葉が、それこそ湧き出るように生まれてきたのだろう。
9/7
第2回 20世紀を代表する名曲「風に吹かれて」で幕を開ける、記念碑的作品
第2回 20世紀を代表する名曲「風に吹かれて」で幕を開ける、記念碑的作品
前回のコラムで書いたとおり、1962年3月発表のデビュー作『ボブ・ディラン』は、ミネソタ州で生まれ育ち、フォーク・ミュージックへの想いに衝き動かされるようにしてニューヨークにやって来た青年の「二十歳の記録」だった。自作は2曲のみという内容ではあったが、しかしそこで彼は、それまでに培ってきたことのすべてを表現し、60年代初頭という時代に、堂々と、その第一歩を踏み出している。
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第1回 二十歳のボブ・ディランのデビューアルバム
第1回 二十歳のボブ・ディランのデビューアルバム
今年2016年の5月24日、ボブ・ディランは75回目の誕生日を迎えている。この国では「後期高齢者」と呼ばれてしまったりする年齢に達したことになるわけだが、今年も彼は、そんな一般的な受け止めなど「私には関係ない」と言わんばかりの精力的な活動をつづけている。
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大谷翔平 その先へ

大谷翔平 その先へ

米プロスポーツ史上最高額での契約でロサンゼルス・ドジャースへ入団。米野球界初となるホームラン50本、50盗塁の「50-50」達成。そしてワールドシリーズ優勝。今季まさに頂点を極めた大谷翔平が次に見据えるものは――。AERAとAERAdot.はAERA増刊「大谷翔平2024完全版 ワールドシリーズ頂点への道」[特別報道記録集](11月7日発売)やAERA 2024年11月18日号(11月11日発売)で大谷翔平を特集しています。

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アメリカ大統領選挙2024

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共和党のトランプ前大統領(78)と民主党のハリス副大統領(60)が激突した米大統領選。現地時間11月5日に投開票が行われ、トランプ氏が勝利宣言した。2024年夏の「確トラ」ムードからハリス氏の登場など、これまでの大統領選の動きを振り返り、今後アメリカはどこへゆくのか、日本、世界はどうなっていくのかを特集します。

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本にひたる

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暑かった夏が過ぎ、ようやく涼しくなってきました。木々が色づき深まる秋。本を手にしたくなる季節の到来です。AERA11月11日号は、読書好きの著名人がおすすめする「この秋読みたい本」を一挙に紹介するほか、ノーベル文学賞を受賞した韓国のハン・ガンさんら「海を渡る女性作家たち」を追った記事、本のタイトルをめぐる物語まで“読書の秋#にぴったりな企画が盛りだくさんな1冊です。

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