20年余りにわたる家事代行サービスで、5千軒以上の家を片づけてきた著者が導き出す「幸せのための」空間づくりとは? そのノウハウを披露する。

 いわゆる「断捨離」とは違い、多くを捨てることなく、住む人の意向や夢に沿った無理をしない片づけを提案する。例えば無駄と思える収集物も簡単に捨てず、綺麗に並べ替えて「夢の空間づくり」に貢献する。生活の中の動線を考え、洗濯から物干し、収納までをスムーズに整える。これまでの「捨ててすっきり」とは異なる考え方で、シニア層の便利さ、安全性、暮らしやすさを優先し、夢と希望の確保を目ざして楽しんで片づける。

 今年は在宅時間が長くなっているので、この本を参考に空間づくりに励むのもいい。また年老いた親と会話しながら、「終活」ではなく、楽しく生きるための片づけを手助けしてみよう。(金田千里)

週刊朝日  2020年9月18日号