書評『さらば、ヘイト本! 嫌韓反中本ブームの裏側』大泉実成、梶田陽介、加藤直樹、木村元彦著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

《話題の新刊 (週刊朝日)》

さらば、ヘイト本! 嫌韓反中本ブームの裏側 大泉実成、梶田陽介、加藤直樹、木村元彦著

このエントリーをはてなブックマークに追加
江田晃一書評#話題の新刊

さらば、ヘイト本! 嫌韓反中本ブームの裏側

大泉実成、梶田陽介、加藤直樹、木村元彦著

978-4907239145
space
amazonspace

amazon.co.jp

space

 韓国や中国を標的に異民族を罵る「ヘイト本」。これまで、一括りにされてきた「ヘイト本」だが、編集方針は多様だ。これらがどのようにして量産されたかを本書は検証する。
 編集プロダクションの元社員は大手版元からの注文が「日本賛美はしない」「事実以上のことを書かない」という意外なものだったと振り返る。過激な見出しや、データを載せても、安易なナショナリズムに回収させない。煽りながらも、寸止めにすることで責任を曖昧にする。主義主張は実はなく、ビジネスに徹した姿が透けて見える。
「ガロ」でおなじみの青林堂は保守雑誌「ジャパニズム」を刊行する。興味深いのは、採算を度外視している点。同誌の元編集長は「(経営者の)右翼思想、正確にはネット右翼思想をこの雑誌で表現したかったんですね」と語る。
 ヘイトデモに対する批判報道も増え、ヘイト本にも一時の勢いはない。とはいえ、出版不況の業界が潜在的な需要の大きさを確認できたのは確かだろう。ブームが再燃してもおかしくない土壌は供給側にも整っている。

週刊朝日 2015年7月31日号


トップにもどる 書評記事一覧


関連記事関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい