鮮やかな赤い表紙に、“めっちゃスゴい”という直球なタイトル。次々に現れる55人の女たちは確かにスゴかった。
 映画評論家として活躍するアメリカ在住15年の著者が「スゴい!」と思ったアメリカ女性を取り上げたエッセイ集。政治家、学者、アスリート、エンターテイナー、作家、活動家など、様々な分野で影響力を持つ女性たちの多くは、日本ではさほど知られてはいない。 両親は麻薬中毒、その後ホームレスとなったもののハーバード大学に進学し、両親や自分のように社会の闇に落ちた若者を支援する活動をする女性、ベトナム生まれで難民キャンプ生活を経て天文学者となり、発見不可能といわれた小惑星を見つける女性、冤罪の兄を救うため、30代で猛勉強して弁護士となり、釈放させたウェイトレスの女性など、3、4ページごとに凝縮された人生の濃いこと!
 人種、貧困、病気、差別や偏見といった社会的な逆境を乗り越え、自分で道を切り開く女性たちの突破力にワクワクさせられる。規格外の自由の女神たちは、どこまでも美しく、たまらなくキュートだ。

週刊朝日 2014年6月27日号