高橋優を変えた大倉忠義とのラジオ「音楽の力を求めてはいけないと思っていた」 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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高橋優を変えた大倉忠義とのラジオ「音楽の力を求めてはいけないと思っていた」

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福井しほdot.
高橋優(撮影/小山幸佑・写真部、ヘアメイク/内山多加子・Commune、スタイリスト/横田勝広・YKP、衣装/カットソーとパンツは原宿VILLAGE、ブルゾンはROCK THERAPY、その他スタイリスト私物)

高橋優(撮影/小山幸佑・写真部、ヘアメイク/内山多加子・Commune、スタイリスト/横田勝広・YKP、衣装/カットソーとパンツは原宿VILLAGE、ブルゾンはROCK THERAPY、その他スタイリスト私物)

「観客が1人しかいなかった」という不遇の時代を経て、今や武道館を超満員にするまでの注目を集めるようになったシンガーソングライター、高橋優。熱闘甲子園のテーマソングや人気アニメの『映画クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ』の主題歌を担当するなど引っ張りだこのアーティストだ。このまま音楽人生を突き進むのかと思いきや、「これまでの高橋 優は終了」とぽつり。その理由は、“変な幸せっぽさ”を断ち切るためだと言う。

【アルバム制作中は部屋にこもり、顔がむくんでパンパンに膨れ上がった】

 札幌から上京して10年。応援してくれる人は格段に増えた。アリーナ規模の会場から地方の小箱まで大勢のファンが詰めかける。「いつまで歌なんてやっているんだ」とぼやいた家族も、今は高橋のグッズを身にまとう。夢を笑った友人たちも応援してくれている。

「いつか見返してやる」

 その反骨精神こそ原動力になっていたが、最近、ある危機感が芽生えた。

「今、すごく幸せです。でも、自分の小さな世界で完結しようとしているような気がして、急に恐ろしくなりました。このままだと、面白くないおっさんになってしまうぞって」

 実は、10年前にも同じ感覚を抱いていた。音楽を志しながら、札幌の映画館でアルバイトをしていた頃、その映画館での就職の話を持ち掛けられた。大好きな映画に関われる居心地の良さそうな職場。「正直、めちゃくちゃ心が揺らいだ」と当時を振り返る。

「音楽で成功できる人なんてほんの一握りだし、『このくらいでいっか』と思った時期もあります。映画館の仕事もすごく楽しかったから。でも、音楽を続けるためにアルバイトをしていたのに、そっちが本業になると今まで何をしてきたのかが分からなくなってしまう。そう思って振り切ったんです。今の気持ちがその時の感情と似ていると感じています。今のままでもお金はもらえるし、ご飯もじゅうぶん食べられる。僕個人の幸せとしては良いけれど、何かを誰かに届ける人としては0点だなって思ったんです」

 こうして新作「STARTING OVER」が生まれた。意味は「最初からやり直す」。



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