大学の進路選択にあたり、高校の進路指導教諭のおすすめは気になるところ。「受験偏差値だけに頼らない大学評価」をコンセプトに、編集部が調査・収集したデータに基づき作成した『大学ランキング2024』(朝日新聞出版)では、「高校からの評価ランキング」を掲載している。その一部を紹介する。

【ランキング】高校からの評価ランキングはこちら(全9枚)

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 全国の進学校約2000 校にアンケートを行い、740校から回答を得た。「面倒見が良い大学」などの項目別に、進路指導教諭のおすすめの大学を5校選んで順位をつけてもらい、1 番目の大学を5 ポイント、2番目を4ポイント……として集計した。

■「コロナ対応が上手だった」

1位:千葉工業大 212ポイント

2位:早稲田大 154ポイント

3位:立教大 115ポイント

 1位の千葉工業大は、コロナ禍で家庭の経済状況が悪化したことへの対応として、2021年度から大学入学共通テスト利用入試の受験料の免除を続けており、高校教員から「革命的だった」との声も上がる。対面授業の早期再開や、学生への学食無料券の配布といった施策も高く評価された。

■「面倒見が良い」

1位:金沢工業大 297ポイント

2位:東北大 212ポイント

3位:武蔵大 111ポイント

 金沢工業大は18年連続の1位だ。数学、理科科目の疑問点についてチューター(個別指導教員)から個別指導を受けられる「数理工教育研究センター」をはじめ、勉強や大学生活の悩みに寄り添い、解決へと導く体制が整っている。企業や地域社会など多くの大学外の人を巻き込みながら、大学で得た知識を社会で活用してみる「社会実装型教育」に力を入れるなど、卒業後を見据えた教育も特色の一つだ。

■「就職に力を入れている」

1位:明治大 269ポイント

2位:金沢工業大 200ポイント

3位:九州工業大 80ポイント

 トップの明治大も、学生と社会の接点の創出に取り組んでいる。同校の就職キャリア支援センターは就職支援行事の一つとして、理想のキャリアを模索するための「Career Design Program」を実施。21年度の参加学生は、OB・OGや身近な大人など10人の社会人へのインタビューを通して、自らの「キャリア観」を深めたという。こうした支援行事は学生の個別相談から得た知見を生かしながら企画され、年間250回以上実施される。学生を取り巻く状況に合わせた支援をいち早く届けていることが、高い評価につながっている。

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「教育力」が高いランキング1位は?