梅干しづくりに挑戦する人は、コロナ禍で外出がままならない3年の間に増えたのではないかと思う。その証拠に、2022年に配信した記事『10分でおいしい梅干しが自分で作れる! はじめてでも簡単な「白干し梅」レシピ』はよく読まれた。 梅干し作りができる時期は年1回、生の梅干し用の梅が出回る6月上旬~下旬だけ。あらためて『はじめてでもおいしくできる 梅干し・梅レシピの基本』(朝日新聞出版)から、梅干し研究家・小川睦子さんに、所要時間10分、とにかく簡単な梅干しの漬け方を教わりたい。

【写真】ジップ付き袋に入った梅はこちら!

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 梅干しづくりはやってみたけど、ちょっと面倒。そんな人に試してほしいのが、省略しても大丈夫な工程はとことん省いた、手間なし梅干しのレシピです。「初めてでも、忙しくても大丈夫」と小川さん。思い立ったらすぐに作れて、失敗もありません。

■漬けこむのは6月、食べごろは10月

 青梅でも完熟でも、熟しすぎたものでもいいので、6月に梅を手に入れたら、塩で漬けるだけ。作業はたった10分程度です。 食べごろになるのは10月ころ。それまでは、常温の室内に置いておきます。

 茶色っぽく柔らかそうな見た目になれば、2~3カ月目から食べることができますが、塩辛く感じる時はさらに置いておきましょう。時間がおいしくしてくれます。半年くらい経つと、さらにおいしくなります。

■【材料】

梅1キロと塩180グラム
梅1キロと塩180グラム
  • 梅1kg
  • 塩180g(梅の重量の18%)
  • ジップ付き袋(大サイズ)を2枚
ジップ付き袋(大サイズ)
ジップ付き袋(大サイズ)

*梅の分量に合わせて塩を用意。例えば梅500gでは塩90g、梅300gでは塩54g、梅200gでは塩 36g(これらの分量の場合は、中サイズのジップ付き袋2枚)

*しょっぱい味が苦手な方は、16%(梅1キログラムに対し塩160g)くらいまで減らしても大丈夫です。

*1kg 以上を漬ける場合は、袋を2つ以上に分けて作るとよいです。

■【作り方】

(1)梅を用意します。

 スーパーなどで販売されているものは通常1袋が1kgです。梅干し用と表示されているものをお求めください。地域やその年にもよりますが、6月上旬頃から下旬頃に梅干し用の梅がスーパーや八百屋さんなどに並ぶようになります。

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キズが少ない梅を選ぶのがポイント